第22話 ページ22
｢……よし、アルハイゼンお待たせ！沢山観察できて楽しかった！！｣
｢あぁもういいのか？｣
｢うん、私の調べたいことは調べれたし、ちょっとお腹も空いてきちゃった。アルハイゼンはお腹すいてきた？｣
パンパンと服に着いた汚れを叩き落として、座っているアルハイゼンに近付く。彼はパタンと本を閉じると立ち上がって私の頬に触れる。
｢汚れている、それと俺も空腹を感じてきたところだ、何処か適当な店でも入って昼食を取ろうか。何か希望は。｣
｢ありがとう取ってくれて、うぅんそうだな、私は特に食べたいものないからアルハイゼンの好きなところに行こう。｣
｢分かった。じゃあ行こうか。｣
｢うん。｣
歩き出した彼の隣に並ぶ、歩きにくいだろうに私の歩幅に合わせて歩いてくれている彼にまた愛しさが募る。
いつの間にかこんなにも、彼の事が好きになっていた。あぁこの時間がずっと、続けばいいのにな。
｢…どうした？疲れたか？｣
｢え、あぁ、ごめん少し考え事してた、疲れてるわけじゃないから安心して。｣
｢そうか、疲れたら直ぐに言うといい、休憩を挟む。｣
｢うん、心配してくれてありがとう。｣
｢礼は要らない、必要なことを言ったまでだ。｣
｢ふふ、うん。」
そうだ、この前璃月から来てた商人さんから清心を買って！食べたのか？食べた！なんて、世間話に花を咲かせていたら道のりはあっという間で、疲れを感じる間もなく彼の目当てのお店についたようで、彼が歩みを止めたところで私も止めると、扉のドアを開いて待ってくれるアルハイゼンに甘えて私は店の中へ足を踏み入れた。
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作者名：やたお | 作成日時：2023年2月13日 16時
