転校 ページ5
転校生として潜入するらしい。
ヒーロー志望が多いなら、明るい子の方が良いだろう。
「入ってこい」
「初めましてこんにちは！」
いつも笑顔でニッコニコ、そんなキャッチコピーが付くような女を演じればいい。
頭は悪く、運動が取り柄のような奴。
「有栖川Aです！気軽に有栖って呼んでね！」
信じられない物を見たような目をするな、相澤。
演る時は演る女だぞ。
「はい！質問コーナーにしていいですか？」
「好きにしろ」
寝るな、芋虫。
「あ、あの、個性はなんですか？」
「夢です！相手に悪夢を見せたり、幻覚を見せたりできます！」
このブロッコリー見たことある、ヘドロに立ち向かった勇敢な子だ。
「夢？雑魚だな、そんな没個性がヒーロー科に入れんのか？」
こいつは捕まってた方の奴、ムカつくくらい健康そうだな。
「個性は弱いので工夫して頑張ったんです！」
そんな事は無いが、模範解答だろう。
「はい！何でサングラスしてるの？」
「えと、生まれつきメラニンが少なくて紫外線に弱いんです…」
「だからサングラス無しだと目が潰れます」
これで良く弱視じゃなかったよな、体のメカニズムどうなってんだ？
「大変だね…ごめん気軽に聞いちゃって」
「いえいえ、大丈夫です！」
確かに気になるよな、サングラスマスクの不審者転校生なんて。
ツッコミ処しか無い。
「はいはい！彼氏居ますか！」
マセてんな、高校生って皆こんななのか？
ガキが一丁前に彼氏とか。
同い年だけど。
「居ません！募集中です！」
とでも言っておけばウケはいいだろう。
全く受け付けていないが。
「胸は何カップですか！」
と聞いた後、ぶん殴られたぶどう。
可哀想だな、思ってないけど。
「秘密です！」
あのぶどうは要注意と。
「趣味は何ですか？」
普通な質問だ、肘から何出てるのそれ？
セロハンテープ？
「趣味は読書です！」
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作者名：ミオ丸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miomaru/
作成日時：2024年3月3日 0時
