説明 ページ4
「失礼致します、武装探偵社から参りました」
「どうぞ」
ドアを開けると、でっかい鼠が居た。
そう云う個性だろうか。
「依頼を担当する、有栖川Aと申します」
「お待ちしておりました」
校長という立場上、私より地位が高いはず。
随分と腰が低い校長だ。
「それでは何故、今回武装探偵社に依頼したのかご説明頂けると幸いです」
ヒーローが居れば、大体の敵から生徒を守れる。
わざわざ、個性所有者が嫌う異能力者に頼むことはない。
「最近、敵が異能力者と組むようになってきたのを知ってますか？」
「はい、つまりその異能力者から守れと云う訳ですね」
「話が早くて助かります、それで有栖川さんに生徒として守ってほしいのです」
護衛と云わず潜入という形でと云うことか。
「承知しました、担任教師の方には伝えますか？」
「勿論です、呼んでおきました」
包帯ぐるぐるのだらしない奴が出てきた。
こいつもヒーローだろうか。
「校長、お呼びでしょうか？」
「相澤くん、良く来たのさ」
「そちらが異能力者の方だ」
「はぁ？どういうことですか校長、そんな危険な」
思いっきり顔を顰められた。
お互い様だな、私も限られたヒーローしか見てないから嫌いだ。
視野が狭いと、偏見が固まる。
「相澤くん、失礼なのさ」
「も、申し訳ありません」
渋々と云う感じか、顔を顰めながら謝ってきた。
「いえ、仕事に私情は挟まない主義なので大丈夫ですよ」
怒ったり泣いたり、一々してると疲れる。
体は涙目だけどな。
面倒くさい事に、一々感情を出さないと気が済まないらしい。
「私情ということは、やはりヒーローのことは」
「えぇ、限られたヒーローしか見ていない中では大嫌いではあります」
「なのでこの依頼で、本当のヒーローに会えたらと思っています」
「泣いてるのは無視してください。異能の一種みたいなものなので」
表情は真顔、目は涙が溢れてる。
これほどチグハグな状態はないだろう。
「た、大変ですね」
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作者名：ミオ丸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miomaru/
作成日時：2024年3月3日 0時
