四十一話 ページ41
その後、数学も終わらせて休み時間が終わる。
「おもろいもん見れたわ。」
『この事誰かに言ったらダメだからね！』
「はいはい。分かったで。」
ニコニコのゾムは上機嫌でスキップをする。
そして教室につき、三限目が始まった…
今日は人多かったし、この後バイトあるし…
寝てしまおう。
…
体が冷たい。
凍っているからか。
それを溶かす温もりも無い。
私を思う仲間なんて、いなかったからか。
『……寒い。』
今にもバラバラになってしまいそう。
…
「またか？寒がっとるわ。」
「あー。委員長定期的にそうなるんだよね。仕方ない。ストール掛けたる。」
そんな中、何か首に巻かれる気がした。
それがとても暖かくて、次第に氷は溶けていく。
『…あったかい。ありがとう。』
「あ、いつものAさんに戻った。」
「え……あ、うん。そうだね、うん。良かった。じゃあ授業続けようか。」
…
『おはよう…』
「おはようさん。」
隣のトントンが教科書を鞄に詰めている。
もう下校か。
ふいに私は首元が視界に入る。
『あれ…このストール。』
兄さんが巻いてるやつ。
「あぁ、また授業中寒そうやったから巻いてあげてたで。」
『…お礼しないと。』
すると放送が掛かる。
"神谷A 急いで相談室に来なさい。繰り返す……"
兄さんの声。
『なんかやったっけ？』
「ついにサボりすぎて堪忍袋の緒が切れたんちゃう？」
『いや？それは無い……』
兄さんは私が部活で忙しいのも、バイトの事も知っているはずだ。
それでいつも心配してくれるんだけど…
『まぁとにかく行ってみる。』
教室の扉を静かに開けて、相談室まで早歩きで行く。
少し緊張してんな…
『呼び出しは慣れてるはずなのに…』
相談室前について、ノックをしてから入る。
『えっと、今日はどうしました？』
すると、いつになく真剣な眼差しで口を開く。
「……A、だよね？」
ん？まさかこれは……？
『はい、私の下の名前はAです。……記憶喪失？』
「いや、喪失してない。寧ろ戻った感じ。」
あぁぁぁぁぁぁ！戻ってるぅう！？
一体何が引き金だったんですか！ねぇ！？
それくらい教えてくれないと阻止無理だわ！
ふざけんな神！
と、内心では思いつつも惚ける顔をする。
外交中のオスマン並に凄いことしてる自信がある。
『？？戻った？』
「いや、そのね…今Aがストール巻いてるじゃん。その姿があの日と似ててね…で、気づいたら思い出した？」
…昔の私を彷彿とさせる姿はダメってことか？
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階梯(プロフ) - キャスさん» お恥ずかしい……ご指摘ありがとうございます！ (2020年5月12日 8時) (
レス) id: 64ec12ca01 (このIDを非表示/違反報告)
キャス - 面白いです！それと、25話非公開になってません？勘違いだったらすみません！ (2020年5月12日 1時) (レス) id: 45eedb7288 (このIDを非表示/違反報告)
階梯(プロフ) - こたつ丸さん» 二十五度位には保てなかったのでグッピー死にますね。更新頑張ります！ (2020年5月3日 16時) (レス) id: 64ec12ca01 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ丸 - 前作との温度差でグッピー死ぬわ！更新頑張ってくだちゃ (2020年5月3日 13時) (レス) id: 5f1e89c35b (このIDを非表示/違反報告)
階梯(プロフ) - トドルゴンさん» 前作と差が激しいです。高低差で泣けますよね(((おい (2020年4月27日 14時) (レス) id: 1546390b18 (このIDを非表示/違反報告)
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