二十九話 ページ29
午後の授業はサボる。
…気分が乗らない。
ただ1人、部室に引きこもる。
ゾムから貰ったエナドリを開け、ちびちびとのみながら、段々曇る空を見上げる。
『…いくら機嫌悪いからってさっきのは無いわ。あほんだら。』
いくら守りたいからって、冷たく突き放し過ぎた。
元が自己中なんもあるけどな…
『こんな性格嫌やわ…』
面倒だから、それに記憶を思い出させたくないからって逃げて、捕まったら逆ギレ。
『はぁ。アホやん私。』
どついてやりたい。
『どうすっか。』
エナドリをまた口にする。
もう嫌やな。
『何で逃げたんやろ。何であんな事言ったんやろ。…調子乗っとったな。完全に。』
すると、部室とドアが静かに開く。
『チーノちゃうな。誰や？』
「誰やろうね。」
この声はオスマンか。
気配だけで気づかんとは、私今やっぱアカンわ。
『何しに来たん？』
「…君の話を聞きに来たんよ。」
『話す事なんてありゃせんで。』
「さっきの独り言、全部聞いとったで？」
聞かれとったか。
『…それがどうしたん。』
「A…やっけ？…生徒会室にいた時から悩んでる目してたで。」
『…今日の夕飯に対して迷ってただけや。』
「…前世の記憶が戻ったらどうしようだなんて目やったけど？」
…なんで知っとるん。
「あ、今、なんで知っとるん？って顔した。…外交官に掛かればこんくらいお手の物よ。」
『…記憶、持っとるん？』
誤差だった。
オスマンが持ってるとは……
「いーや。さっき思い出したばっか。俺な、Aの独り言聞いて急に電気が通った感じがしたん、そして気付いたら前世の記憶があるんよ。」
『……せか。で、何しに来たん？』
「謝りに…という訳じゃなくてな、ホントに偶然。たまたま通りかかって、たまたま記憶戻って…そしたら"また"我慢して苦しんどるAが見えて。……俺な、次会ったらAの事守るって決めてたんよ。だって、Aが欲しいのは、謝罪じゃないよね。…Aが欲しいもんをあげるんやから。謝った所でそれは俺の自己満足やん。」
『……せやな。その解釈で合っとる。』
そしてオスマンは私の頭を優しく撫でる。
「大丈夫。そう簡単に記憶は戻らへん。前世無理した分、今世は思いっきり無茶してええから。……自己中でええから。それで敵が出たら、俺が、全力で守るから。」
段々とくしゃくしゃになって行く髪の毛。
同時に心に潜む後ろめたさも、少しくしゃくしゃになって行く。
『…アホ！髪の毛崩れるでしょ！』
ちょっとくらいの無茶なら、していいか。
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【d!】だからさぁ！？一般生徒なんで近寄らないで！(半ギレ)【学パロ】 【d!】もっと！こっち向いてよ塩崎さん！もっと見る
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階梯(プロフ) - キャスさん» お恥ずかしい……ご指摘ありがとうございます！ (2020年5月12日 8時) (
レス) id: 64ec12ca01 (このIDを非表示/違反報告)
キャス - 面白いです！それと、25話非公開になってません？勘違いだったらすみません！ (2020年5月12日 1時) (レス) id: 45eedb7288 (このIDを非表示/違反報告)
階梯(プロフ) - こたつ丸さん» 二十五度位には保てなかったのでグッピー死にますね。更新頑張ります！ (2020年5月3日 16時) (レス) id: 64ec12ca01 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ丸 - 前作との温度差でグッピー死ぬわ！更新頑張ってくだちゃ (2020年5月3日 13時) (レス) id: 5f1e89c35b (このIDを非表示/違反報告)
階梯(プロフ) - トドルゴンさん» 前作と差が激しいです。高低差で泣けますよね(((おい (2020年4月27日 14時) (レス) id: 1546390b18 (このIDを非表示/違反報告)
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