二十五話 ページ26
you Side
さて、城から出て、久々に家に行く。
すると、家を出た時から変わらぬままブラッドがいた。
そういや、あの日からずっと放置してたな…
『ブラッド。』
私がそう呼び掛けると、すぐさま柵を飛び越えて、尻尾を振っていた。
あ、ブラッドってのは狼の事。
ブラッドを撫でてやると、満足そうにして私の前に座った。
いい子過ぎるやろ。
んで、本題っと。
『今からレルに戻るぞ。お願いできる？』
すると、了解！とばかりに一回吠える。
そして、私はブラッドの背に乗る。
ブラッドは私が乗ったことを確認すると、猛スピードで夜の森を駆け抜けていった。
大きな狼だから、乗っても問題ないのだ。
そして、少しの間風になって楽しむと、あっという間にレル国についた。
『お疲れ様。いつもの所に待機しててくれる？』
そう言うと、すぐさまブラッドは風になって消えた。
そして、私はう〜ん。そうだな。
港町の方面から、不法に侵入する事にした。
まぁ、トップは私なんで。
『さて、港まで改造されてないのを祈るばかりなのだが…』
黒色の布を被り、漁村の村人に話し掛ける。
困った顔をしてらっしゃるなぁ…
改造されたっぽいな。悪い方向に。
『あの…私、旅の者なんですが、ついさっきここに訪れたばかりでして…友人の話の通りなら、小さな舟が行き来する、自然溢れる良い港町だと…』
旅人を装う。
すると、一つため息をついてから、困り顔のまま村人は話しだした。
「あぁ…旅の御方ですか。すみませんね。ご期待に添えなくて…あの、この事は内密に願います。その…女王様の代理の、弟がですね…」
その村人の話を要約すると、ライトが…まぁ操られてるからな、今は。
嫁バカなんだよアイツ。
つまり女狐が、貿易の量を増やそうとして、この小さなレル付近の海に大きな船を入れる事を許可しやがったと。
そっから大きな船は廃材を海に流したり、酷いとこは廃油を海に流したそうだ。
そのおかげで海は汚れてしまい、しかも貿易は我が国が不利な条件ばかりのもの。
油が浮いているから、舟も出そうにも出せず、魚は死に絶えているそう。
はぁ…
これは厄介なこった。
いっそ戦争で貿易国全て蹴散らすか…？
いや、でもそんな事したらあいつ等に怒られるな。
『それは…何と言う事なんでしょう。ですが、安心なさって。』
正体を明かして別の所に行くか。
「旅の御方に、どうも出来るわけが…」
私は頭に被っていた布を取る。
『貴方達の苦しみ、この、A・フラレウムが然と聞き届けた。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 379人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
階梯(プロフ) - あ、あ、ありがとうございます….！色々頑張って伏線(？)を貼ってます。続編の更新も頑張ります！ (2020年4月18日 18時) (
レス) id: 1546390b18 (このIDを非表示/違反報告)
病夜(プロフ) - ついに続編ですか！おめでとうございます！私的に、聖国について気になるところですね、。感情で目の色が変わるとか女王的な一面もあって面白いです！続編でも無理のないように更新してくれると嬉しいです！ (2020年4月18日 16時) (レス) id: ff1f7a7f36 (このIDを非表示/違反報告)
階梯(プロフ) - しおりんさん» ありがとうございます！亀更新ですが頑張ります！ (2020年2月21日 18時) (レス) id: 98e981bcd0 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん - お、おも、面白すぎるッ、神様ッ続きも頑張ってください(≧▽≦) (2020年2月21日 17時) (レス) id: 521a219ebb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
