機械の友人と地下の友人と (ページ3)

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始まりの章－機械仕掛けの友人－ページ3

昔から友達がいなかった。居なかったというよりも作れなかったという方が正しい。

勉強は普通、運動はてんで駄目。この前の体育の実技授業だって下手すぎて陰口を言われてた。それにコミュ障で話すときも噛んでしまってうまく話せない。だから折角仲良くしてくれそうな人がいても、自分からチャンスを台無しにしてしまう。

そんな日常と自分が嫌で気づけば現実逃避にアニメとゲームにのめり込んでいた。

そんなやつなんて誰も相手にしてくれないのはわかってたし、友達なんてどうでもいい。なんて強がったこともあった。

でも、話が合う仲の良い友達が欲しいと心の奥底で思っていた。例え人間でなくても、仲良くしてくれるならば誰でも良いとさえも。

そんな自分を見かねて知り合いの研究者が誕生日プレゼントにロボットを造ってくれた。自分が好きそうな見た目に仕上げたと言っていたこの子はメタトンといって、自分の意志で動くプログラムになっているらしい。今は箱型だけれど、それとは別にあと2つの形態があるとその研究者は話してくれた。

誰でも友達になれるように仲良くなった相手や周りから好印象の相手には誰にでも平等に優しく、ケアもしてくれる。沢山の知識があり、ユーモアもあり。自分とは正反対の、そんな完璧な自律型ロボットだった。

「＿＿システムヲ起動シマス。＿＿＿はじめまして！僕はメタトン！君は？」

そう君に言われたときのことを自分は一生忘れないだろう。

「じ…自分はA。よろしく、メタトン」