*Fukasaki*07

心配 ページ21

ブランコをこいだまま降りる


ちょっとした挑戦技




少し錆びた鉄がギコギコと音を奏でる


そのギコギコに合わせ

いつ降りようかタイミングをはかる









今だ！






「スチャッ」





私は両手を真横に伸ばし、
見事に着地を果たした




それを見ていた深瀬が駆け寄ってくる




俺の方が上手いよ！とか

俺も！とか


そんなことを言うと思いきや...







『さおりちゃんのバカ！』





なんて言われた。


なんでよ！なんて聞く隙もなく深瀬は続けた





『転んで怪我したらどうするの？』
『危ないでしょ？』





そんなこと言われるとは...

言ってくれるとは...


予想もつきませんでした



色んな意味で謝ります





「ごめんなさい」



『わかればいいよ』
『わかれば』





深瀬はそう言うと、
手を繋いできた


そして家路についた






手を繋いでいるとき、







"絶対に離さないぞ"
"危ないことさせないぞ"






そう伝わってくるような気がした。



ここまで大切に大事にしてくれてるとは...





「ありがとう」
「さとしくん」

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