元鬼子は、鬼殺隊になる [竈門炭治郎] (ページ46)

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No,38 ページ46

お留守番、なんて簡単に言ってしまったけど

いつまでもここにいるのは目の前で助けを求める人を見捨てる行為だと私は思う。

『死ににいくようなことだとしても………入るしか………ない……か』

目は口ほどにものを言う、っていうことわざがあるでしょ？

あのときの炭治郎の目は全部を受け入れてた。

この仕事をしている以上そんなもの常識かもしれないけれど、

誰にだって躊躇はあるはずだ。

だからなのか私には伊之助が一緒にいくっていったとき炭治郎がひどく安心したかのように見えた。

わかっていて行く炭治郎が羨ましい。

『もう腹を括ってるの、君は』

「え、？」

私の呟きに反応する善逸の声は私の耳に届いていない。

私にはこの山で起きている悲惨で酷い光景がまざまざと想像できる。

伸ばされた手の先にあるのは血溜まりで

届かない叫びと折れた刀、

その血溜まりの真ん中にことぎれた見知った顔がいる。

そんな現実をみて平静としているどころか意識すら保っていることができるかもわからない。

そんな光景をわざわざ自分から見に行くようなことは、、、したくない。

「来来ちゃん、、、？」

善逸の不安な瞳が私をとらえる。

行きたくないというのが全面に出ているし私の音で何かを察したのだろう。

どうしようもなくキャラぶれブレで可笑しい私だけど、

『行こう、善逸』

今まで任務をこなしてきた時のその倍の勇気で立ち上がるしかない。

「でもでもでもでも！！！俺、、弱いし…………」

しゅんとしてからうつむく善逸。

人の決心を…………踏みにじりやがって……………。

『じゃあ、私一人で禰豆子ちゃんのこと連れ戻しにいってくるね、』

渾身の笑顔で禰豆子ちゃんの名前を出してあげた。

「え、、、、、」

彼にとって禰豆子ちゃんは天使や女神そのものなのでこういう言葉には弱いと思った。

「そ、そういえば………！！炭治郎のやつ、禰豆子ちゃんのこと山の中につれってってた…………！！！」

ほらほら、もう目の色変えてるような気がするよ………。

女の子ってなると途端にこれだ、

「禰豆子ちゃああああああん！！！！」

『あ、』

山まで一人で突っ走っていってしまった。

『結局ぼっぢ、、、はあああああ…………鬼退治といきますかね…………』

鬼のいるやばーい山へ足を踏み入れた。