体質55 ページ5
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それでも紅野くんは殴る手を止めない。
「ほら、こうして止められる間にさぁ、早く吐けよ、ッ！」
嫌だ、言わない。
私は首を振って、拒否し続けた。
教えない、絶対に教えない。
「……ふぅん。」
紅野くんは手を止めて、小さく声を洩らした。
そして、俯いていた私の髪を掴み上を向かせる。
「ほんと、何から何まで変わったねAちゃん。」
冷たく鋭い目が私に向けられる。
ぞく、と全身が震え上がる。
怖い。その目は、一番嫌いで苦手な目だ。
紅野くんは私の髪を放し、頬を殴るつもりなのか腕を振り上げる。
その瞬間。
「居たぞォ！」
声の方に目を向ければ、開久高校の人だった。
しかも、どんどんと開久高校の人たちが出てくる。
居たぞ、ってことは、紅野くんを探してた……？
それも、恨みとか殺意とかが含まれてるものだ。
「わ、見つかった〜！逃げろ〜！」
そんな開久高校の人たちとは対照に、紅野くんはまるで鬼ごっこをしているみたいに楽しんでいた。
紅野くんは私を置いて逃げて行った。
「追え。」
「はいっ！」
その人の命令で、開久高校の人たちは紅野くんを追いかける。
ついこの間聞いた声。
この声は、片桐さんだ。
……助かった、のかな。
私は膝をついて横に倒れる。
「……おい、あれ。」
あ、この声も最近聞いた。
これは、相良さんだ。
二人は急いで私に近づいてきてくれた。
嬉しいな、お礼を言わないと。
そう思ったけど、痛みと恐怖で動かない体は思ったよりいうことを聞いてくれない。
「おい、大丈夫か。」
いつもは表情が出ない片桐さんが、今は心配そうな顔をしてる。
こんな私を心配してくれて、ありがとう。
「……かた、ぎりさん、さがらさ、ん……」
けど、痛くて痛くて、二人の名前を呼ぶので精いっぱいみたいです。
私の声は、情けないくらいに酷く弱々しい声だった。
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y1u2i3n4a(プロフ) - めちゃくちゃ好きです本当に。更新待ってます (11月27日 18時) (
レス) id: 9135bf7da8 (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - ど、どうか、続きを………こんな面白くて文才豊かな作品久しぶりすぎて………… (2022年7月13日 17時) (レス) @page12 id: 65408d9878 (このIDを非表示/違反報告)
うへへへへ(´へωへ`*) - 続き楽しみ (2022年6月12日 20時) (レス) @page12 id: 8243bd92bd (このIDを非表示/違反報告)
葉紅(プロフ) - もう更新しないんでしょうか？すごく面白いので続きが見たいです。更新楽しみにして待っています！ (2020年9月22日 22時) (レス) id: 915a610475 (このIDを非表示/違反報告)
紅華 - 面白いです！更新待ってます！ (2020年9月1日 20時) (レス) id: 7b082dad3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なしは | 作成日時：2019年1月26日 21時
