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その瞬間私の頭は真っ白に塗り替えられた。

『…え。』

コロンと地面に歯が転がった。

落ちた歯の持ち主を見るとそいつは

ーーーー救世主に殴り倒されていた。

「うぐぅ…。」

「ふー、咄嗟に使ったけど…ありゃ、鼻折れちゃったかなー?」

『え、えぇ…?』

「あ、大丈夫ですか?びっくりしたでしょ、こういうの気を付けてくださいねここいらは危ないんで。」

『あ、ありがとう…ございました。』

私は救世主に手を取られ立ち上がろうとしたとき痛みを膝に感じた。

『いてっ…。』

ツツーと傷口から血が流れた。

「怪我?」

『あ、はい。…ッ!?』

「暴れないで。」

低く落ち着いた声と共に降りてきたのは救世主の柔らかい髪だった。

「どれどれ…うん、これくらいなら平気だな。」

とハンカチでポンポンと血を拭き取られた。

『ありがとうございます。』

「立てる?」

『はい…。』

私は未だ胸の高振りを納めることなく救世主の横を歩いた。

「怖かった?」

『え、あ…はい。』

ふーんと何事もなさそうに相槌を打たれると横から急に車が止まり、中から私のマネージャーである町田さんが飛び出してきてきつく抱き締めてきた。

町田「あぁ!椎名ちゃん!よかった急にいなくなってびっくりしたのよ…怪我はない?ああ、足怪我しちゃったのね、でもよかったわ無事でー!」

『ああ、町田さん…。私は大丈夫です。それよりこの人…私がストーカーに襲われそうになったときに助けてくれたんです。』

「え、あぁ…。いえ、偶然通り掛かっただけですから。」

町田「あらま!椎名ちゃんがまたストーカーに?あぁ…これはなんとお礼をしたらよいのでしょうか…ああそう、椎名ちゃん次の予定まであと30分だから急いでね!」

『あ、はい。』

「忙しいですね。」

『ふふ、はい。あ、ハンカチ…!』

「あ、いいです。貰って下さい。」

『え、でも。』

マネージャー「椎名ちゃーん?」

『あ、はいー。じゃ、じゃあありがとうございました!』

彼は私が乗ったタクシーが見えなくなるまで見届けてくれた。

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作品ジャンル:恋愛
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梨汁 - リクエスト大歓迎でーす。ドシドシ送ってきてください。 (2019年3月8日 16時) (レス) id: 64dd8ab2dd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梨汁 | 作成日時:2018年6月3日 21時

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