暗部55 ページ5
A「お呼びでしょうか、三代目」
三代目の背後に歩み寄り、
頭を垂れながら跪く。
三代目「悲報のあとに、すまんの」
A「いえ......」
三代目「単刀直入に問うが、お主はどこまで知っておる。
イタチと、シスイの件について」
A「......」
これは、
正直に告げるべきなのか。
三代目「言えんかの？」
A「......それを知って、あなたはどうしますか？
私を、殺しますか」
そう問うと、
三代目は相も変わらず
パイプ煙草をふかしながら、
こちらを振り返った。
その顔は不自然なほどに落ち着いており、
私を殺そうなどとは微塵も思っていないことが
見て取れた。
三代目「すまなかった」
A「......え？」
そして、
突如謝られたことに拍子抜けすると共に、
さすがに火影様から謝罪されると
こちらの面子が立たなくなるので、
慌てて「おやめください」と
制止の声を掛ける。
三代目「お主の親友も、家族も、守ってやれなかった」
A「......」
三代目「イタチは、弟を生かす代わりに一族を抹殺したのじゃ」
A「！」
やはり、
あれはすべて上層部の命令で――。
三代目「これも全部、わしの力不足だ。
すまない」
A「......いえ。
三代目は三代目なりに、全力を尽くしてくださったと私は信じています」
三代目「......」
眉を下げ、
微かに穏やかな表情を浮かべる三代目。
A「今回の事件、すべてとは言いませんが、大体は把握しているつもりです」
三代目「そうじゃったか......」
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作者名：NASHI | 作成日時：2019年1月14日 20時
