３．無理 ページ5
A「爆豪の言うことなんて気にしないで良いから。」
緑谷「！」
しかし、緑谷は気を使ったようだが、余計なお世話だったようだ。
Aは爆豪の見方をするつもりも、庇うつもりもなかったようで、少し呆れたように言った。
A「雄英、頑張ってね。はい。」
Aは緑谷にノートを渡しながら笑顔で言った。
緑谷の背中を押したのだ。
緑谷は改めてAのことをいい人だと思った。
緑谷「ありがとう・・・！」
A「じゃーね。」
緑谷も笑いながら受け取ると満足したのかAは歩き出した。
が。
緑谷「あ、あのさ！！」
緑谷はとっさにAに声をかけた。
突然のことにAは驚きつつも振り返る。
A「？」
緑谷「い、いや、あの・・・Aちゃんは、雄英目指さないのかなって・・・」
緑谷が気になっていたこと。
Aの進路について。
A「・・・・・・わたしには無理だよ。」
少しの沈黙の後、Aはそう言いながらまた笑った。
しかし、その笑顔は先ほどのように明るくは見えなかった。
A「じゃあ私行くとこあるから、じゃーね。」
そして再び歩き始めたA。
その少し強引な挨拶に緑谷はまた引き留めようとするができなかった。
A『お母さんみたいなヒーローになる！！』
小さい頃、嬉しそうに言ったAの笑顔はもうそこには無かったから。
緑谷出久。
昔彼が見たのは古い動画。
昔起きた大災害直後の1人のヒーローのデビュー動画だ。
オールマイト。
『私が来た！！』
そう言って笑いながら人々を救うその姿に強く憧れた緑谷はヒーローを志した。
しかし。
『諦めた方が良いね。』
幼い頃病院で言われたその言葉がさした意味。
緑谷は“無個性”だった。
何の“個性”も宿ってはいなかった。
それでも緑谷はヒーローを諦めきれずにいたのだった。
そんな彼の幼馴染の1人、水樹A。
A「ちょっと無理やりすぎたかな・・・」
先程の緑谷とのやり取りを思い出してか、そう呟く。
緑谷には行くところがあるからと言ったが、特に何かやらなければいけないことがあった訳でもない。
ただあの話題から逃げたくてそう言ったのだ。
しかしだからといって真っ直ぐ家に帰る気にもなれずフラフラと大通りを歩いていた。
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キジ(プロフ) - 白丸さん» ありがとうございます・・・！！頑張ります！ (2020年4月20日 17時) (
レス) id: 526360bfc9 (このIDを非表示/違反報告)
白丸 - 作者様の作品とても面白かったです！ 更新頑張ってください！ (2020年4月17日 1時) (レス) id: 80fa021f90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キジ | 作成日時：2020年4月4日 22時
