２９．帰り道 ページ31
？？「あちゃ〜、終わっちゃったよ。」
目の前の少年は、そう言うが、特に焦った様子は無く、声のする方を見た。
それは水樹も同じ。
あれからポイントを稼ぐことはできなかったけど、自分のしたことに後悔は無かった。
だから。
水樹「ありがとう。」
？？「！」
いろんな意味を込めてもう一回。
隣に立つ、自分よりも大きな彼に。
マイクの方を見ていた2人だったが、少年は驚いたように水樹を見た。
その視線に気づいた水樹は、彼の方を見て笑う。
今まで特に驚いた様子を見せなかった彼だが、その時初めて目が少し開いたように見えた。
しかしすぐにまたあの笑顔に戻る。
瀬呂「俺瀬呂範太、お互い受かってっといいな。」
水樹「！私は水樹A。うん！」
色々あったが、こうして実技試験は穏やかな終わりを迎えた。
．
爆豪「おっせえ。」
水樹「待っててくれたんだ。」
着替えた後各自帰宅。
女子より男子の方が早いのは当たり前で先に帰ってしまったと思っていたが、爆豪は雄英の門の前で水樹を待っててくれていたようだ。
水樹が爆豪の姿を見つけ、小走りで側まで行くと爆豪は歩き始める。
そしてそのまま2人で帰路についた。
水樹「実技試験どうだった？」
日が沈みかけた帰り道、水樹は尋ねた。
爆豪「ぜってえ受かった。」
水樹の問いに対して爆豪は当たり前だと言わんばかりに答える。
でもそれを否定することはできなかった。
対ロボのあの試験、個性とタフさ、そして性格上彼が有利だったのは間違いない。
水樹「相変わらずすごい自信。」
爆豪「てめえはどうだったんだよ。」
爆豪の言葉に水樹は今日の出来事を思い出す。
よくよく考えればとても濃い１日だったと言える。
その中で鮮明に覚えていること。
水樹「・・・友達ができた。」
水樹は嬉しそうに笑いながら言った。
試験前と試験中、耳郎と瀬呂の2人のこと。
友達と言っていいのかはわからないが、名前を言い合ったんだ、爆豪に話すくらいいいだろう。
爆豪といえば、試験を受けてきた奴が言う感想かよ、と思ったが機嫌良くニコニコと隣を歩く彼女を見て、その言葉はどこかへ消えてしまった。
爆豪「・・・そーかよ。」
あわよくば彼らとまた会えますように。
そして高校でもこんな風に幼馴染達と帰路を歩けますように。
爆豪の返事を聞き水樹はそう願いながら、また機嫌よく帰り道を歩くのだった。
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キジ(プロフ) - 白丸さん» ありがとうございます・・・！！頑張ります！ (2020年4月20日 17時) (
レス) id: 526360bfc9 (このIDを非表示/違反報告)
白丸 - 作者様の作品とても面白かったです！ 更新頑張ってください！ (2020年4月17日 1時) (レス) id: 80fa021f90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キジ | 作成日時：2020年4月4日 22時
