２６．女神 ページ28
あの日、爆豪から教えて貰った治癒。
あれから練習してたった１、2回使っただけでへばってしまう事は無くなった。
今ここでやるんだ。
握った彼の手に水樹は優しく力を込めた。
するとみるみるうちに彼のかすり傷は消え、血色も良くなっていった。
？？「・・・え？」
水樹「よし！・・・ここまでしたんだし、絶対受かってね。」
突然の出来事に理解が追いついていない目の前の少年だったが事態は急を要する。
水樹は問答無用で一方的に呟くと、少年の乗っていた葉を操り、一瞬で遠くまで飛ばした。
？？「・・・・・・女神か・・・？」
遠く飛ばされた先で、少年は1人、ポツリと呟いた。
．
一方水樹は慌ただしく動き回る。
先ほどの少年の周りにいた他の受験者たち。
この人たちも助けなければ危ない。
大丈夫、今の自分ならできる。
そう己を鼓舞し、水樹は葉を作り、また乗り物の様に操った。
せっかくヒーローになる為に雄英を目指してやってきたのに、こんなわけのわからない敵に潰されて不合格。
なんて最悪すぎる。
同じ気持ち、同じ受験者だからこそ、この人たちを見殺しにするなんて水樹には出来なかった。
1人、また1人と葉に乗せ、回復し、運ぶ。
水樹(よし、あと1人・・・！)
これならいける。
そう思った時フラついた自身の体。
キャパオーバーだ。
いくら鍛えたといっても長年使ってきた個性とは違う。
すぐに普通に使えるようになどならなかった。
疲れた、苦しい、倒れてしまいたい。
でも。
水樹は残された人の元へ走った。
水樹「・・・乗って・・・！」
息を切らしながらやってきた水樹に、受験者は尋ねた。
「どうして・・・！」
水樹「私も同じだから。さ、早く！」
水樹は当たり前のことのようにそう答えると、体に触れて治癒し、またあの少年の時と同じように遠くへ飛ばした。
そう、水樹も同じ。
どんな時も、いつも危ない時は助けてくれた。
怖くてどうしようもない時、自分の周りにはたくさんのヒーローがいた。
だから今度は自分も。
そうこうしているうちにようやくここにいる全員、この場から遠ざけることができた。
水樹(私も逃げなきゃ・・・)
あとは自分だけ。
水樹も逃げる為に立ち上がろうとするが。
水樹「っ！」
足に全く力が入らなかった。
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キジ(プロフ) - 白丸さん» ありがとうございます・・・！！頑張ります！ (2020年4月20日 17時) (
レス) id: 526360bfc9 (このIDを非表示/違反報告)
白丸 - 作者様の作品とても面白かったです！ 更新頑張ってください！ (2020年4月17日 1時) (レス) id: 80fa021f90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キジ | 作成日時：2020年4月4日 22時
