１０．支える ページ12
Aの母はオールマイトと仲が良かった。
サイドキックでは無かったが、よく一緒に事件解決にあたることが多かったため、打ち解けたようだ。
そのため春の子供であるAによく会いに来ていた。
オールマイトとも幼いときながら会っていたA。
ではなぜそこまで母に憧れたのか。
それは母との会話の中にあった。
個性が発現し、まだ幼稚園に通っていた頃。
何気なくAは母に尋ねた。
A「お母さん。」
春「ん？なあに？」
A「強くないとヒーローになれないの？」
春「どうしたの？急に。」
少し悲しそうに俯きながら尋ねたAに春は目線を合わせるようにしゃがみ込んだ。
A「かっちゃんがね、オールマイトみたいな強いヒーローになるって、強い奴がヒーローになるんだって言ってた・・・Aの個性、弱いし、すぐ負けちゃうから、ヒーローになれない・・・」
Aの個性。
父親の個性は全く引き継がず、春の植物のみ。
しかも春が使えた治癒はAには出来なかった。
上級生相手でも強気で勝ち、Aが危ないときはいつも助けてくれた爆豪。
そんな彼の姿と発言をAは気にしていたのだ。
春「ん〜〜、まあ確かに強いにこしたことはないね。それだけ多くの人を守れる。」
A「・・・・・・じゃあやっぱり・・・」
春「でも強さだけじゃない。」
Aの言葉を遮るようにして春はまっすぐAの目を見つめていった。
そのはっきりとした春の言いようにAはとっさに顔を上げる。
春「市民を守り、安心を与えるのがヒーロー。強くてかっこよくて、みんなが憧れる。でもね、そんなヒーロー達でも消えてしまいそうになることがある。立ち止まってしまう時がある。そんなとき、ヒーロー達を支えるのも、かっこいいと思わない？」
A「！」
春「力がある、個性がある。きっと爆豪くんは立派なヒーローになる。でもね、だからってAが同じヒーローを目指す必要はないんだよ。人を救いたい、ヒーローになりたい。その強い思いがあれば、人は何にだってなれる。Aだって、ヒーローになれるんだよ。」
A「！！」
春「・・・母さんはね、オールマイトをも支えられるヒーローになりたいの。」
春が口にしたなりたいヒーロー。
NO.1をも支えるヒーロー。
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キジ(プロフ) - 白丸さん» ありがとうございます・・・！！頑張ります！ (2020年4月20日 17時) (
レス) id: 526360bfc9 (このIDを非表示/違反報告)
白丸 - 作者様の作品とても面白かったです！ 更新頑張ってください！ (2020年4月17日 1時) (レス) id: 80fa021f90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キジ | 作成日時：2020年4月4日 22時
