８３．寄壊蟲 ページ36
A「雷遁ならうちも得意だよー。」
ボルトとミツキ、2人に言うようにボルトの隣に立ったA。
ボルト「Aは別だっつーの。」
ボルトは先ほどと変わらない様子でそういった。
無反応なAにボルトは手に持っていたポテトチップスを差し出すと、パクッと機械のように食べた。
ミツキ「ほんとなんだけどなあ。」
ミツキも相変わらずのミツキであった。
意外と歓迎会は順調でミツキはうまくクラスに溶け込んでいた。
シノ(いいぞ・・・！狙い通り、ミツキがちゃんとクラスに溶け込んでいる。紅先生、あなたの教え通り、おれはおれのやり方で生徒の心を掴んで見せます！)
シノは昨日紅に生徒のことを相談していた。
その結果が今日。
シノなりに頑張っているのだ。
そこにスミレがやってきてなにやら2人で話していた。
話が終わったのか、シノがまた動き出した。
シノ「さて！いよいよ最後は先生からのプレゼントだ！」
すると、それまで飾っていた花や、人形が動き出したのだ。
生徒たちはこれに大きな歓声をあげた。
女子生徒は特に大盛り上がりだ。
男子たちはこれがどんな術で動いているのか探る。
メタル「・・・そういえば、シノ先生の忍術って確か・・・」
その時、ナミダが動くぬいぐるみの可愛さに思わず抱きついてしまった。
シノ「あ！！待って！触っちゃいかん！」
シノは慌てて止めるが遅かった。
そう、シノは油女一族。
虫を操る一族だ。
すると動いていたものから一斉に飛び出す虫。
つまりものを動かしていたのは虫だったのだ。
生徒たちは混乱に陥る。
シノ「こ、こんなはずでは・・・」
ミツキ「これが噂に聞く油女一族の寄壊蟲かあ。」
A「興味あったの？」
皆が騒ぐ中この2人はいつも通り冷静だ。
その側で虫に怯える者が1人。
デンキ「ヒイイ！誰かなんとかしてえ・・・！！」
ミツキ「虫をなんとかすればいいの？」
デンキ「なんでもいいからあ！」
すっかり怯えきってしまっている。
A「じゃあさ、あれやってよ。」
Aはニヤリとミツキに笑って見せた。
やってほしい術があるようだ。
ミツキ「・・・いいよ、じゃあ、風遁・突破！」
口からものすごい勢いで風を吐くミツキ。
威力は絶大だ。
しかし、威力の強すぎるその術は校舎の工事にまで影響をもたらした。
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作者名：キジ | 作成日時：2019年8月23日 20時
