８１．すげえ変 ページ34
シノ「離せ・・・！離すんだ！おい・・・！やめろ！」
何度言っても聞かないミツキにシノは力ずくでイワベエからミツキを離そうとするがミツキも物凄い力でイワベエを締めているのだろう、なかなか離れない。
ボルト「ミツキ！終わりだ！」
ミツキ「ボルト。」
ボルトが声をかけたことで力は少し弱まったが、まだ離れはしない。
ボルト「おいミツキ！」
A「ミツキ！離して。」
走るボルトの後ろに観戦席から降り立ったAはすごいスピードでミツキの横に移動した。
ミツキ「A。」
そしてやっとミツキはイワベエから手を離す。
イワベエはそのままに前に倒れ、しゃがんだ。
イワベエにシノは声をかけようとするがそれより先にAがしゃがみ、イワベエに声をかけた。
A「大丈夫？」
なかなか咳が止まらないイワベエの背中をAはゆっくりとさする。
ミツキ「どうして止めたの？ボルトもAも。あと少しで僕の勝ちだったのに。」
Aは今はイワベエの様子を見て、ミツキの言葉に返そうとはしない。
ボルトを含め、クラスメイトはミツキのその言葉に戸惑いを隠せなかった。
ボルト「・・・とにかく！まずはイワベエに謝れ！」
ミツキ「なんで？僕はただ、本気で来いって言われたから・・・」
ボルト「いくらなんでもやり過ぎだ！おれはあんな戦い方は好きじゃねえ！」
ミツキ「好きじゃ、ないの？Aも？」
ボルトの言葉を聞いて今度はミツキが戸惑った。
「Aも？」と言いながらミツキはイワベエの元にいるAをみる。
しかし、Aはイワベエがかなり心配だったらしく、目を離そうとしない。
イワベエ「もう、大丈夫だ、ありがとよ。」
A「そう？」
咳が止まり、呼吸が安定してきたイワベエ。
Aはまだ少し心配のようだが、ミツキのこともある。
立ち上がりミツキに言った。
A「うん、好きじゃない。」
ボルト「ほらな。」
Aとボルトの返答をきき、ミツキは納得したように目を細めた。
ミツキ「そうか・・・君に嫌われたくはないな・・・」
そう言ってミツキはボルトのところからイワベエの元へ向かった。
ミツキ「やりすぎちゃったみたい。ごめんね。」
そして前の組手の時のイワベエのようにミツキは手を差し出した。
イワベエ「お、おう・・・」
ボルト(ちょっとじゃねえ、すげえ変だ。)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キジ | 作成日時：2019年8月23日 20時
