７９．変なやつ ページ32
シノ「ほほう・・・」
そしてシノによって書かれた見るからに難しそうな問題。
シノ「望み通り、骨のあるのを用意してやったぞ。もう一度その口調で答えてくれボルト。」
ボルトは今度はペンを持ったまま立ち尽くすしかない。
いくらなんでも難しすぎる問題だ。
A「んんーー・・・」
その時寝ていたAが目をこすりながら起きた。
かろうじて持っていた教科書はそれと同時にずり落ちる。
いのじん「あ、起きた。」
A「・・・なにあの問題。」
Aは起きるなりホワイトボードに書かれた問題に目を向ける。
いのじん「あれ、解ける？」
いのじんはAに万が一解ける可能性があるかも・・・と、僅かな期待を胸に聞いたが。
A「無理無理。」
返ってきたのは予想通りの返答だった。
イワベエ「ま、お勉強は全くできないバカだからな。」
A「あんただってできないでしょ！このバーカ。」
イワベエ「なんだと？！」
イワベエがからかうように言うと、目覚めたばかりのAはそれに乗り、言い争いが始まってしまった。
いのじん「はあ・・・」
呆れて言葉も出ないいのじんであった。
一方ホワイトボードの前のボルト。
未だペンを持ったまま震えている。
ボルト「大人げねえってばさ！シノ先生！」
そんなボルトの元にやってきたのはなんとミツキだ。
ボルトの代わりにペンを持つなり、何か書き始めた。
ミツキ「いい？まずこうやって運動方程式を計算するんだよ。そうすれば空気抵抗が算出できるから・・・ね？簡単でしょ？」
ミツキにはこの問題が解けたのだ。
ボルトだけでなくクラスメイト全員が感嘆の声をあげた。
ボルト「なるほど！」
シノ「・・・ミツキ・・・お前に解けとは言っていないぞ。」
シノ「でもボルトが困ってたから。わからないことはなんでも教え合うんですよね？」
ミツキが出てきたことに困惑するシノだがミツキのその返答にさらに戸惑ってしまった。
シノ「いやあ、自分で解かなくては意味がないだろう？」
ミツキ「・・・？」
それでもよくわからないと言った様子のミツキにシノはため息をついた。
シノ「はあ・・・わかった。もういい・・・2人とも戻れ。」
そうやって大人しく戻った2人。
ボルト(ミツキって、ちょっと変なやつ。)
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作者名：キジ | 作成日時：2019年8月23日 20時
