大人子供の彼女の居場所２【BORUTO】 (ページ26)

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７３．居場所【オリジナル】ページ26

シカダイ「おれたちがアカデミーに入るまではよくここで今日みたいに相手してくれてただろ？Aが任務で忙しいのはわかるけど、たまにはよ・・・」

ボルトだけでなくシカダイまで少し照れ臭そうに顔を隠しながら話すのでAはさらに理解に困ってきた。

そんな３人の様子を見ていのじんが思い切った。

いのじん「つまり、ボルトもシカダイも君が付き合ってくれなくなって寂しいんだよ。」

いのじんの言葉を聞き、Aは弾かれたように顔を上げた。

いのじん「君は忍で大人だなって思うことも多いけど、僕らにとっては君もシカダイたちと同じ、友達の1人なんだ。小さい頃から一緒にいた大切なね！」

いのじんは笑顔で言った。

ボルトのような太陽みたいな笑顔だった。

いつも一言余計に付け足すいのじんだったが、この時付け足した「大切な」という言葉はAの心を温めていった。

いつの間にか座っていたシカダイとボルトもいのじんの近くに立ち上がってやってきた。

Aはというとそのまま固まって動かなくなってしまった。

しばらく経っても動かないAにボルトたちが「やばくないか・・・？」と話し始めたその時、勢いよくAが３人に飛びついた。

「「うわあ！！」」

綺麗に３人の声が揃って聞こえる。

A「・・・ありがとう。」

とても小さかったその言葉は確かに３人の耳に届いた。

大人であって子供でもない。

不安定な位置に存在するA。

ナルトたちはそれぞれ家庭を持ち、年を重ね、大人になった。

ボルトたちはナルトたちの代とはまた違う、自分たちの道を作り始めている。

じゃあ自分は？

子供になりアカデミーでボルトたちと共に過ごしながら、大人として任務をこなす。

それを繰り返すうちに感覚が麻痺する。

大人でいる時間と子供でいる時間。

どっちが本物の自分なのか。

『どっちつかずで何してるのか。』

『中途半端な生き方ね。』

街で聞こえたその言葉。

気にしないようにしていても嫌なことほど頭にこびりついて離れなくなる。

気にしていないように見えてAは実際、気にしていたのだ。

それをみんなはわかっていた。

大人として任務をこなし、みんなとの時間を作っていなかったAをそれでもなお友と呼び、居場所をくれた。

Aのその様子から全てを察した３人は少し驚いた後、またいつものように笑うのであった。