第420話 主食は肉 ページ10
そんな毎日を繰り返し、今日も今日とて四兄妹は日課の150戦を終えた。
「このパイプ、すっげーつかいやすいな！」
「ま、いつまでも素手でやり合うわけにもいかねェだろ」
この日は、エースとサボがA用にと新しい武器、つまりパイプを手渡した日だった。
なので今日は組手というよりは、Aが得物を使いこなすための訓練のようなものであったのだ。
「くっそー！明日こそはエースをけちょんけちょんにしてやるーっ！！」
「まァ精々頑張れ。おら、ぐだぐだ言ってねェで晩飯の調達行くぞ」
悔しさの滲んだ怒声を上げる弟を軽くあしらい、ソバカスの長兄は夕食のおかずを見つけるべく歩き始める。
慣れたようにエースの後ろに着いたサボ、その二人の兄達を慌てて追いかける弟妹。
この光景も、コルボ山では見慣れた光景となっていた。
さて、そんな山の中腹部。穏やかな流れの川べりにある木の枝に、四兄妹が並んで獲物を見定めていた。
「ワニにするか」
「ワニ飯うめーよなー」
「だなー！あんだけデッカいと、すっげー作りがいありそー！」
「ははは・・・いや、マジでルフィとA、産まれる順番逆なんじゃねェか？」
「・・・言うな、サボ。多分考えたらダメなヤツだ」
多少の呆れを含んだ笑い声を上げたサボは、しかし弟妹の発言の違いに口元を引きつらせる。
実は少し、いや大いにサボと同じことを考えていたエースも、何とか言葉を絞り出した。
「ワニ飯ならなー、スープもあったほうがいいよなー？んー、どうしよ」
そんな長兄達の密かな悩みなど露知らず、末妹は夕食の献立を組み立て始める。
「そういやこの前のキノコのあれ、結構美味かったよなァ」
「あー、あれか。確かに割と美味かったな」
スープという単語から連想した、つい先日食卓に並んでいたアッサリ系の汁物。
何種類かのキノコと、余っていた鹿だったか猪だったかの肉団子が入っていたスープ。
鶏ガラの出汁が良く効いており、肉団子も食べ応え抜群で非常に美味かった。
「あ、じゃあソレもつくる！ちょっとヤサイ多めにしたら、ちょーどいいもんな！」
「野菜じゃなくて肉増やせよ」
「だーめーだ！こうでもしなきゃ、みんなヤサイくわねェじゃんか！」
どちらが年上だか分からないようなエースとAの会話に、しかしサボはケラケラと笑う。
流石に一週間以上も寝食を共にしていれば、慣れてくるものがあるらしい。
「よし、行くぞ！」
言うが早いか、四人同時にワニに飛びかかった。
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師走(プロフ) - 平野澪さん» 先日に引き続きありがとうございます……！！少し更新ペースは遅くなりますが、気長にお待ちいただけると幸いです……！！ (2022年6月8日 14時) (
レス) id: 5000983d6f (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - ほんとに面白い！！ずっと応援しています！頑張ってください！ (2022年6月7日 21時) (レス) @page30 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 平野澪さん» コメントありがとうございます！！大好きと言っていただけて、とても光栄です……！！ (2022年6月3日 7時) (レス) id: bdf3575371 (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - 面白かった！！！！大好き♡ (2022年6月3日 0時) (レス) @page28 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 団方さん» 今回も本当に長い間開けてしまい申し訳ありません……！本当にお待たせしてしまいますが、絶対に途中で失踪などはしませんし、完結させますので、よろしければ読んでいただけると幸いです……！乾燥ありがとうございます！励みになります！！ (2021年10月10日 15時) (レス) id: 5000983d6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やっすん | 作成日時：2018年10月26日 19時
