第422話 いつも通り、だったのに ページ12
足元を引きずりかける程長いローブを羽織り、フードを目深に被った怪しげな二人組。
ここは高町の一歩手前にある街。そこの裏道を、この怪しげな二人はワニを乗せた台車を引いて歩いている。
「・・・あんがいバレねェんだな、こーいうの」
思わずといった風に上から降ってきた言葉に、少女を肩車している長男は愉快そうに口を開く。
「前までは三人で肩車してたんだけどな、流石に四人だと危ないだろ？」
「めーし、めーし！」
「バカ、先に資金調達だ」
こちらは待ちきれないと言わんばかりに喜色を浮かべた弟に対し、飯の金を作ろうとしているのだと叱る長男。
この悪ガキ四兄妹は、サボがAを、ルフィがエースを肩車することで、子供四人ではなく大人二人と見せかけ、門番を出し抜いていたのだ。
「おうおうおう」
「こんなとこで何してんだァ？」
裏道を歩いていると、ガラの悪い男共に絡まれてしまった。
だが、いかんせん相手が悪かった。こんなことで怯むような兄妹ではない。
「いっちょ腹ごなしといくかぁ！」
「「「おうっ！」」」
ローブを投げ出し、チンピラ共に飛びかかった。
「りんじしゅーにゅーだな！」
「りんじしゅー・・・ああ、臨時収入か」
理解したと何度か頷き、そんな難しい言葉良く知ってるな、なんて言って、サボは笑う。
「おい見ろこれ！」
「すげー！」
「結構持ってるなぁ！」
正しく臨時収入を得た四人は、エースが目星をつけていた店にローブ姿で入り込み、飯を掻っ食らう。
「んー！うめェ！」
「早く食え、バレる前に！！」
「「「おう！」」」
「はい、お待たせしま・・・っ子供ぉ！？」
だが悲しいかな。ローブを脱いでいたせいで、追加を持ってきた店員にバレてしまった。
「んっぐ！？」
「逃げるぞ！！」
机に山のような皿を積み上げ、最後の一口を掻き込んで走り出す。
「まっへ、これだけっ」
「これだけ、じゃねーよ兄貴！」
パイプを持つのは忘れずに、Aは食い意地満点の兄の腕も引っ掴んで窓から飛び出し、張り出した布地の屋根で弾みをつけて石畳の地面に着地。
「そら逃げるぞ！」
「逃げろ逃げろー！」
「逃げろー！」
「にっげろーっ！」
楽しそうに兄の言葉を繰り返し、眼光だけで町の人々を蹴散らすエースと楽しそうに笑うサボの後ろを弟妹が駆けていく。
いつも通りの光景が繰り広げられていた。
＿＿＿ここまでは、いつも通りだった。
「・・・サボ？」
この男が、サボを呼び止めるまでは。
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師走(プロフ) - 平野澪さん» 先日に引き続きありがとうございます……！！少し更新ペースは遅くなりますが、気長にお待ちいただけると幸いです……！！ (2022年6月8日 14時) (
レス) id: 5000983d6f (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - ほんとに面白い！！ずっと応援しています！頑張ってください！ (2022年6月7日 21時) (レス) @page30 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 平野澪さん» コメントありがとうございます！！大好きと言っていただけて、とても光栄です……！！ (2022年6月3日 7時) (レス) id: bdf3575371 (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - 面白かった！！！！大好き♡ (2022年6月3日 0時) (レス) @page28 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 団方さん» 今回も本当に長い間開けてしまい申し訳ありません……！本当にお待たせしてしまいますが、絶対に途中で失踪などはしませんし、完結させますので、よろしければ読んでいただけると幸いです……！乾燥ありがとうございます！励みになります！！ (2021年10月10日 15時) (レス) id: 5000983d6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やっすん | 作成日時：2018年10月26日 19時
