第389話 おそようございます ページ9
「いやー、悪い悪い！どーも貧血とか色々重なってたらしくってな！
我ながら不覚だったわ！」
日が暮れ、各々作業を終えて船に戻り始めていた頃。
いつの間にか目を覚ましていた末妹は、兄達に囲まれたベットの上で、体を起こして笑っていた。
「イゾウが運んでくれたんだっけ？心配かけて悪かったな！」
「悪かったな、じゃねェって・・・奴さんな、もうちぃと注意深く行動するってのを覚えろ？」
「もー・・・！寿命が縮んだよぉ・・・！」
「どれだけあっても足りなさそうだけどな」
「そりゃ言えてるねい・・・」
呆れたように、心配し、冗談めかして。
それぞれ態度に差はあるものの、安堵を覚えていたのは皆同じだったのだ。
これまで皆普段通りを装って、それでも、心の底にあったのは怯えだった。
オヤジやエース、仲間達に加えて、まさかAまでも失うことになるのではないか？
そんな恐れが、脳裏にこびりついていた。胸の中に巣くっていた。
小綺麗な寝台の上で微動だにせず眠り続ける末妹の姿は。
普段子犬のように駆け回り、小鳥のように騒いでいるだけに、余計に不安を掻き立てられた。
そして、何よりも、その笑顔が＿＿＿
「ほらほらほら！Aが起きたの確認したんだから、さっさと出て！」
二、三回大きく手を打ち鳴らして、ナース長は隊長達を追い出しにかかる。
マルコ達を部屋から締め出すと、今度は矛先を少女に向けた。
「あ・の・ね！！アンタ分かってんの！？」
呑気に笑うAを無理矢理押さえつけるようにベットに寝かせると、
腰に手を当てて叱り始めた。
「次！その傷が開いたら！！アンタ、今度こそっ」
全てを言い終える前に、目尻に涙が溜まり、
口から溢れてしまいそうな嗚咽を堪えるように、唇を噛んで。
Aの負った傷が、どれだけ酷いものか。
ナース長である、船の医療を一手に引き受けていたシャナが、一番良く分かっていたのだ。
「分かってるってば！・・・もう、無茶しねェから」
ゆっくりと起き上がると、強く握りしめられた拳を、そっと両手で包む。
安心してくれという思いを込めて、笑う。
「・・・っ」
ひぐり、喉の奥で鳴らすと、シャナは堪らずAの肩を抱いた。
「ほんと、あんたは、心配ばっか、かけさせてっ・・・！」
「おう、ごめん」
宥めるように、震える姉の背を何度も撫でる。
今日もまた、夜が更けていく＿＿＿＿＿
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師走(プロフ) - まつりなさん» ありがとうございます！！これからも更新頑張りますので、応援よろしくお願いします！！ (2018年8月30日 11時) (
レス) id: c0b11b67c2 (このIDを非表示/違反報告)
まつりな - 続編おめでとうございます！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2018年8月28日 19時) (レス) id: 1c501748bb (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 森田菜々子さん» はい！毎日更新を目標に頑張ります！！ (2018年8月24日 14時) (レス) id: 348f2a7da8 (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - こちらこそすいません；その代わり最新頑張ってくださいね。コメントだけどケーキでどうぞ。 (2018年8月24日 7時) (レス) id: 9b1c982b1b (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 森田菜々子さん» 前にも申し上げました通り、自分はケロロ軍曹について然程知識を持ち合わせておりません。ですので申し訳ないのですが、お断りさせて頂きます。申し訳ありません。 (2018年8月24日 0時) (レス) id: 348f2a7da8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やっすん | 作成日時：2018年8月23日 10時
