第384話 2番隊はよく隊長が不在になる ページ4
次の日の朝、太陽はまだ顔を見せない時刻。
「おう、来たか」
「待たせて悪かったねい」
「いや、おれ達も今来たとこだ」
新世界に浮かぶ、大きくはないとある島。
青々と茂る芝生の上で、シャンクス達とマルコ達が向かい合っていた。
二つの海賊団の間に横たえられた、二つの布袋。
片方は普通の男性くらい、もう片方はそれの三倍はあろうかという大きさ。
「・・・悪いねい、赤髪」
「気にするな。二人はそれほどまでに立派だった、それだけだ」
静かな言葉のやり取りだったが、
その裏にはこれでもかと言わんほどの感情が込められていることを、
その場に居る誰しもが理解していた。
「・・・手伝おう。人手なら余るほどあるからな」
「助かる」
素直に礼を述べると、マルコは後ろを振り返って皆に指示を出し始める。
「・・・お前等、隊ごとに別れろ！1番隊は＿＿＿」
何もせず、ただぼうっとしているよりは、
なんらかの作業なりなんなりをしていた方が、気が紛れるというものだった。
「各自作業が終わり次第、各隊の隊長に指示を仰げ！」
その言葉を皮切りに、皆言われた通りに動き始めた、のだが。
「・・・あの、マルコ隊長」
「どうした？」
遠慮がちに掛けられた声に、ついでに手渡されたスコップを担ぎながら聞き返せば、
二番隊の男は数秒躊躇った後に口を開いた。
「・・・2番隊は、誰に指示を仰げば？」
消え入りそうな小さな問いに、息が出来なくなった。
そうだ。2番隊の隊長はエースで、副隊長はAだ。
隊長不在のこの半年間、副隊長であるAが一時的に隊長代理として動いていた、のだが。
エースは今、マルコのすぐ後ろに転がっている布袋の中で、永遠の眠りについている。
Aは一度意識は戻ったらしいが目覚める気配もなく、ベットの上で眠り続けている。
2番隊には今、隊長格の者が存在しないのだ。
丁度数年前、エース達がスペード海賊団ごと白ひげ海賊団に参入する前までも、
2番隊に隊長はいなかった。
だが、あれはただ単に、そういう人材がいなかっただけだ。
それまで隊長を務めていた、おでんが居なくなったから。だが、今は違う。
マルコは、己の迂闊さを呪った。つい、いつもの調子で言ってしまった。
「・・・おれが兼任するよい。2番隊もおれのとこに来い」
「分かりました！」
スコップを抱えて走っていく船員を眺め、切り替えるように息を吐いてから、
マルコもまた作業に取り掛かった。
第385話 どうもおはようございます→←第383話 歳を食うと涙腺って緩むらしい
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師走(プロフ) - まつりなさん» ありがとうございます！！これからも更新頑張りますので、応援よろしくお願いします！！ (2018年8月30日 11時) (
レス) id: c0b11b67c2 (このIDを非表示/違反報告)
まつりな - 続編おめでとうございます！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2018年8月28日 19時) (レス) id: 1c501748bb (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 森田菜々子さん» はい！毎日更新を目標に頑張ります！！ (2018年8月24日 14時) (レス) id: 348f2a7da8 (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - こちらこそすいません；その代わり最新頑張ってくださいね。コメントだけどケーキでどうぞ。 (2018年8月24日 7時) (レス) id: 9b1c982b1b (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 森田菜々子さん» 前にも申し上げました通り、自分はケロロ軍曹について然程知識を持ち合わせておりません。ですので申し訳ないのですが、お断りさせて頂きます。申し訳ありません。 (2018年8月24日 0時) (レス) id: 348f2a7da8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やっすん | 作成日時：2018年8月23日 10時
