第408話 暇を持て余した少女の遊び ページ28
「むぅ・・・ヒマだ」
地に着かない足をぶらぶらと揺れ動かし、少女は一人ため息を吐く。
祖父であるガープは、海軍本部に着いて早々センゴクに呼び出されたため、いつものように食堂で仕出しの手伝いをしていたのだが、ピークも過ぎたのでやることがなくなってしまった。
食堂と祖父の部屋、それとセンゴクの部屋。この広い海軍本部の中でも、少女が行ったことがあるのはこの三つしかなかったのだ。
それゆえ、暇を持て余しているからと言ってもやたらに出歩くわけにもいかず、Aは食堂の隅で手伝いの報酬として貰ったジュースとクッキーをつまんでいるのであった。
それでも食べ物だ、食べれば減る。それもあのルフィの妹だ、瞬く間に食べ終えてしまった。
「・・・ヒマだ」
同じ言葉を繰り返し、空になった皿とコップを給仕のおばちゃんに預けてから食堂を出る。
さて、どうしよう。特に計画があるワケでもなく、とりあえず食堂から出てみたが。
「じーちゃんおっそいしなー・・・」
どうせ船の中で書いていた書類で怒られているのだろう。そうだ、そうに違いない。
そうと決まればすぐ行動。元帥の部屋目指して足を向けようとしたところで、見慣れた顔を見つけて駆け寄った。
「おーい！クザーン！！」
「お、Aじゃなーい・・・って、あれ、この前帰ったばっかじゃなかった？」
駆け足で近寄って来た少女を目にとめると、わざわざ片膝をついて少女と目線を合わせたこの男の名はクザン。海軍の最高戦力である三大将の一人、『青雉』の異名を持つ者、なのだが。
少女にとっては、この海軍において気楽に話せる数少ない大人の一人に過ぎなかった。
「うちもそー思うんだけどな、せんせーがじーちゃんにたのんだらしいんだ」
「アララ、センゴクさんが？なら仕方ないわけだ」
廊下でのんびりと喋っていると、そんな二人に近付く人影が一つ。
「オォ〜〜〜・・・やぁっとみつけたよォ〜〜〜」
「あ、ボルさん！」
独特の間延びした声に振り向いて、ぱっと笑みを浮かべた少女の頭を撫でながら、三大将の一角である男は不思議そうに首を傾げる。
「オヤァ？随分と早いねェ〜〜〜？」
「センゴクさんのご指名なんだとさ」
クザンの端的な説明に納得したのか、ボルサリーノは顎に手を当てたまま軽く頷いた。
三大将の二人が幼い少女を間に挟んで話している様は、なんとも言えない光景になっていたのだが＿＿＿まあ、本人達には知り得ぬことである。
第409話 遂に始まった特訓→←第407話 ガープの孫だもの、仕方ないよね
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 460人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
師走(プロフ) - まつりなさん» ありがとうございます！！これからも更新頑張りますので、応援よろしくお願いします！！ (2018年8月30日 11時) (
レス) id: c0b11b67c2 (このIDを非表示/違反報告)
まつりな - 続編おめでとうございます！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2018年8月28日 19時) (レス) id: 1c501748bb (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 森田菜々子さん» はい！毎日更新を目標に頑張ります！！ (2018年8月24日 14時) (レス) id: 348f2a7da8 (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - こちらこそすいません；その代わり最新頑張ってくださいね。コメントだけどケーキでどうぞ。 (2018年8月24日 7時) (レス) id: 9b1c982b1b (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 森田菜々子さん» 前にも申し上げました通り、自分はケロロ軍曹について然程知識を持ち合わせておりません。ですので申し訳ないのですが、お断りさせて頂きます。申し訳ありません。 (2018年8月24日 0時) (レス) id: 348f2a7da8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やっすん | 作成日時：2018年8月23日 10時
