第349話 また、守られた ページ29
「ぇ、あ・・・・」
何が起こったのか、解らなかった。
なんで、エースの腹からマグマが突き出てんだ？なんで、エースは血を吐いてんだ？
分からない、分からない、理解したくない。
蜂の巣をつついたかのように騒がしくなった戦場。だけどそんなことは、どうだってよかった。
今大事なのは、そんなことじゃない。
膝を折り、力無く倒れこんだエースを兄貴と一緒になんとか支える。
全体重を預けられて、もう自分で体勢を保つ力も無いのだと分かって、体中から血の気が引いた。
「っごめんなァ・・・・ルフィ・・・A・・・・」
「っもう喋んなくていいから！！大丈夫だって、絶対、絶対助けるから！！」
白ひげの紋章が刻まれた背に回した手が、ぬるりとした何かで滑った。
エースの肩からなんとか顔を出して見てみれば、手は目に痛いほど鮮やかな紅に染まっていた。
「エース！！！」
いつものように、さっきまでと同じように、ダメージを肩代わりしようと傷に意識を向ける。
「ちゃんと、助けてもらえ、なくてよ・・・！！すまなかった・・・！！」
息も絶え絶えに、鮮血を吐き出してなお、火拳は何かを伝えようと必死に言葉を紡ぐ。
「自分の、命の終わりくらい、わかる・・・！！」
「な、何言ってんだエース！い、急いで、手当てっ・・・！！なあ、A！！」
「分かってる！！さっきからやろうとしてんだって！！っでも、でもぉっ・・・！！」
出来ないのだ。何度傷を引き取ろうと試みても、いっこうに痛みは流れてこない。
原因ははっきりしている。＿＿＿エースの負った傷が、致命傷だからだ。
焦り、怯えたように大声を交わす弟妹に、長男は小さく、微笑んだ。
「聞けよ、ルフィ・・・A・・・！！」
「なんでだよ・・・！！ぃ・・・約束したじゃねェかよ！！！」
「そうだよエース！！だって、だってお前、死なねえって！！絶対死なねェって言ったじゃんか！！」
縋り付くように、認めたくないと言わんばかりに、弟妹は兄を支える手に力を込める。
「・・・そう、だな・・・サボの、件と・・・お前等みたいな、世話のかかる、弟と・・・危なっかしい、妹が、居なきゃ・・・おれは・・・生きよう、とも、思わなかった・・・っ」
そうだ。どいつもこいつも、ゴールド・ロジャーの息子には死んで欲しいと願う者達ばかりだった。
「誰もそれを望まねェんだ、しかたねェ・・・！！」
＿＿＿＿＿＿＿＿だから、生きていたって無駄だと思っていたのに
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師走(プロフ) - 林檎さん» いえこちらこそ見ていただきありがとうございます！！出来る限り毎日更新していきますので、よろしくお願いします！！ (2018年6月13日 22時) (
レス) id: c0b11b67c2 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 更新ありがとうございます！！これからも、応援してます！！ (2018年6月12日 22時) (レス) id: 1ef2c0f6cc (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます！今ちょっと前の方を手直ししてる感じですけど、もうすぐ更新できると思いますので、よろしくお願いします！ (2018年6月10日 15時) (レス) id: fa589f053a (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 過去の編集？っていうんですかねが終わってからでいいので更新の方お願いします。この作品気に入ってるので応援してます！！ (2018年6月10日 13時) (レス) id: 55fae2266d (このIDを非表示/違反報告)
マリー - 更新待ってました！すごく面白いです☆ (2017年4月3日 16時) (レス) id: c67407c6d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やっすん | 作成日時：2015年12月22日 6時
