第343話 兄心、妹知らず ページ23
「強くなったな、二人共！」
処刑寸前だった青年は、少し感慨深げに背を預けた二人に声を掛ける。
「いつかエースも超えてみせるさ！」
同じように拳を構える弟は、どこか嬉しそうに言葉を返す。
言葉自体は昔と全く変わってはいなかったが、背丈も度胸も大きく強くなっているのはこの短時間でもよく分かった。随分と頼もしくなったなと感じるのは、気のせいではない。
「こちとら誰かさんが勝手に出てった上、4番隊隊長の代わりもやってたんだ！こなした場数は爆上がりだったんでな！否が応でも強くなったっつの！」
二人の兄とは違って白と黒の刀を構える末妹は、少し八つ当たり気味に、からかうように声を張る。
「ぐ・・・！それは・・・その・・・すまん」
船を飛び出す数日前、初めての隊長命令としてAに2番隊隊長代理を任せるという命を下したのは他ならぬ自分自身だ。
誰が悪いと言われれば、正直おれが出奔する原因になったティーチと言いたいところだが、それでも代理をAに任せると決めたのはおれで、幼い妹に重荷を背負わせることになると分かっていて尚命令したのもおれだ。
責められても仕方ない事は重々承知してはいたものの、直接言われると結構心に刺さる。
横目で妹を見た視線がかち合ったその先、Aは悪戯が成功した悪ガキのようにニヤリと口角を上げて笑った。
「(ああったく、おれはからかわれてただけか！)」
多少は本音が混じっているのだろうが、一種の意趣返しだろうかと思えば怒る気にもならなかった。
想像していたより可愛らしい反応に、むしろ微笑ましさすら覚える
「“アイス
耳に飛び込んできた声と共に、足元を流れてきた凍えるような冷気。
「わ、あいつ！」
「うっげクザンっ！」
相手を視認した途端に警戒する二人をさりげなく後ろに回し、三大将の一人と弟妹の間に立つ。
「じゃあ、まだ今はおれが守ろう」
悔しそうに顔を歪めたAを尻目に、苦く笑う。
いつからだったか、Aは護られることを嫌うようになった。
＿＿＿いつからか、なんてのは嘘だ。そんなのは分かりきっている、Aの気持ちはよく分かる。
“アイツ”に目の前で庇われたのなら、おれなんかよりも、なおのこと。・・・だが。
「“
「“鏡火炎”！！」
突撃してきた巨大な氷の雉を、炎の壁で完全に相殺する。
＿＿＿だからって、まさか兄貴が守られるわけにもいかねェだろ！
第344話 “さいご”の船長命令→←第342話 兄妹戦線、降下中！
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師走(プロフ) - 林檎さん» いえこちらこそ見ていただきありがとうございます！！出来る限り毎日更新していきますので、よろしくお願いします！！ (2018年6月13日 22時) (
レス) id: c0b11b67c2 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 更新ありがとうございます！！これからも、応援してます！！ (2018年6月12日 22時) (レス) id: 1ef2c0f6cc (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます！今ちょっと前の方を手直ししてる感じですけど、もうすぐ更新できると思いますので、よろしくお願いします！ (2018年6月10日 15時) (レス) id: fa589f053a (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 過去の編集？っていうんですかねが終わってからでいいので更新の方お願いします。この作品気に入ってるので応援してます！！ (2018年6月10日 13時) (レス) id: 55fae2266d (このIDを非表示/違反報告)
マリー - 更新待ってました！すごく面白いです☆ (2017年4月3日 16時) (レス) id: c67407c6d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やっすん | 作成日時：2015年12月22日 6時
