第380話 合流地点はシャボンディ諸島 ページ30
まだ朝日も昇らぬ薄暗い中、宙に浮かぶシャボン玉が幻想的な島に、一隻の軍艦が寄港した。
張られた帆にはカモメのマーク。海軍の船だ。
だが、甲板に出ている者達は、誰一人として海軍の制服を身に着けてはいない。
彼等は海賊。四皇白ひげが率いていた“白ひげ海賊団”、その残党だった。
日中であれば喧しい程騒がしい島も、朝早いからか、ひっそりと静まりかえって、人の姿も気配もない。
しかし軍艦が停泊した16番GRには、未だ太陽が顔を出さない時刻にも拘わらず、五百強の人々が、どこか待ちきれないといった風情で佇んでいた。
やがて、船から次々に海賊達が降りてくる。梯子なんてまだるっこしいと言わんばかりに、手摺を飛び越えて。
一番前で車椅子に座っていたリーゼントの男は、一番最後に船から降り立った男を見るなり。
皆が降りて再会を喜び合うのを見届けてから降りた男は、一人車椅子で待っていた男を見て。
「マルコ！！」
「っサッチ！！」
互いに勢い良く駆け寄ると、真っ向から向き合って無事を確かめ、それから抱きあった。
「よ゛、よ゛がっだ、ぶじで、よがっ・・・！！」
「すまねェ、すまねェッ・・・！！」
それが安堵なのか、それとも喪失からくるものなのか。はたまた、後悔か。
ただ一つ言えることは、人目も憚らず大粒の涙を零すサッチも、堪えに堪えて目に涙を滲ませるマルコも。どちらも、これまで一度も泣いてはいなかったという事実だけ。
耐えていたのだ。皆を守らなければいけない、と。
マルコは実力もそうだが、オヤジに次ぐ二番手だと認識されていた。皆の精神的支柱になっていたことに、間違いはない。
サッチに至っては残留組の中で唯一の男だ。いくらナース達に自衛の術があるとは言え、隊長でもある彼が気負わない筈もない。
そんな二人に感化され、周囲も更に抱き着きあったり慰めたり励まされたりと、また会えたことに歓喜した。
時間にしてみれば、たった数十秒。だが、二人にとってはそれだけで良かった。
「・・・そっちは」
「全員揃ってる。いつでも行けるぜ！」
周りがまだ再会の喜びを噛みしめている中、マルコとサッチは表面上だけでもいつも通りを取り戻し始めていた。
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師走(プロフ) - 愛さん» ありがとうございます！！感動していただけてほんっとうに嬉しいです！！自分もまだまだですので、更に研鑽を積みたいと思います。これからもどうぞよろしくお願い致します！ (2019年2月12日 18時) (
レス) id: 348f2a7da8 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 362話スゴい感動しました!マジなきしちゃいました、その文才分けてほしいです。これからも頑張ってください (2019年2月12日 18時) (レス) id: b6e30cbc23 (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - りんご飴さん» すみませんでした！！やらかしているの確認しました！！ありがとうございます、今すぐ訂正します！！ご指摘ありがとうございます！！ (2018年9月30日 8時) (レス) id: 348f2a7da8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご飴(プロフ) - 361のティーチの名前エドワードじゃなくてマーシャルですよ〜 (2018年9月30日 8時) (レス) id: 0242962b37 (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 森田菜々子さん» えっ、あっと、申し訳ありません・・・！！ケロロ軍曹はその、そんなに詳しくないのです・・・！！ミルルってどの子だっけ？というレベルですし、恋愛ものは一切書いたこともなく・・・！！本当に申し訳ありません、お断りさせていただきます・・・！！ (2018年8月17日 10時) (レス) id: 348f2a7da8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やっすん | 作成日時：2018年7月13日 14時
