第378話 これからどうする？ ページ28
ついでのように放り投げられたAの腰ポーチと刀を、ビスタとイゾウが受け取った。
それを尻目に、マルコはハンコックと向かい合っていた
「悪いが、エースの弟は頼んだよい」
「お主なんぞに頼まれるまでもない！」
高飛車に言い放ったハンコックはしかし、次の瞬間には端整な顔立ちを僅かに歪め、もう一度口を開く。
「・・・Aは、頼んだぞ」
「それこそ、言われるまでもねェよい」
数秒の間鋭い視線を交わし、それから何事もなかったかのように背を向け合った。
「船を出せ！落ち合うよい！！」
マルコの言葉に呼応して、おう、と野太い声が甲板に響き、皆一斉に行動を始めた。
無理に張り上げた声が飛び交う、薄っぺらい喧騒の中。甲板の一角で、今動ける隊長達が頭を突き合わせ、言葉少なに今後の相談をしていた。
「マルコ、どっちが先だ」
「シャボンディだろい」
だよな、と小さく呟いて、イゾウは焦げ跡の目立つ着流しを翻した。
それと入れ替わるように、血の滲んだ衣装に身を包んだハルタが、心持ち早足で近寄って来る。
「とりあえずAはジョズの隣に寝かせて来たよ。・・・でもやっぱ、シャナ達が居ないと」
＿＿＿＿無理みたい。
ハルタの報告は尻切れとんぼだったが、後ろに続いたであろう言葉は想像するに難くなかった。
Aも中々に酷いが、青雉に全身を凍らされたジョズや、赤犬の手によって火達磨にされたクリミルを筆頭に、命の危機に陥った者達は大勢いる。
皆が皆大小問わず傷を負っているこの状況下で、船の医療を一手に引き受けていたナース達がいないのは大きな痛手。
それ以前にシャナ達は仲間だ、家族だ。彼女達を置いていくなどという選択肢は、最初から存在しない。
彼女達をシャボンディに置いて行ったのは、オヤジの意向だ。
『女を戦場に立たせる訳にもいかねェだろ』
その一言で、ナース達は皆シャボンディに留まることになった。無論、ナース達から抗議の声は上がった。だがオヤジは頑として譲らず、ついにあちらが折れることになったのだった。
万が一を考えてシャナ達はいくつかのグループに分かれ、シャボンディ沖に停めた普通の船に乗って待機している。食料などはレイリーやシャッキーがなんとかしてくれるという話だった。
「まずはシャナ達と無事に合流する事だけを考えろい。シャボンディで物資調達しとけば、アイツ等が居ればちゃんとした治療も出来るんだからな」
第379話 誰か持ってなかったっけ？→←第377話 診察の結果
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師走(プロフ) - 愛さん» ありがとうございます！！感動していただけてほんっとうに嬉しいです！！自分もまだまだですので、更に研鑽を積みたいと思います。これからもどうぞよろしくお願い致します！ (2019年2月12日 18時) (
レス) id: 348f2a7da8 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 362話スゴい感動しました!マジなきしちゃいました、その文才分けてほしいです。これからも頑張ってください (2019年2月12日 18時) (レス) id: b6e30cbc23 (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - りんご飴さん» すみませんでした！！やらかしているの確認しました！！ありがとうございます、今すぐ訂正します！！ご指摘ありがとうございます！！ (2018年9月30日 8時) (レス) id: 348f2a7da8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご飴(プロフ) - 361のティーチの名前エドワードじゃなくてマーシャルですよ〜 (2018年9月30日 8時) (レス) id: 0242962b37 (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 森田菜々子さん» えっ、あっと、申し訳ありません・・・！！ケロロ軍曹はその、そんなに詳しくないのです・・・！！ミルルってどの子だっけ？というレベルですし、恋愛ものは一切書いたこともなく・・・！！本当に申し訳ありません、お断りさせていただきます・・・！！ (2018年8月17日 10時) (レス) id: 348f2a7da8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やっすん | 作成日時：2018年7月13日 14時
