【NARUTO】少女の、愛４ (ページ9)

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第143話ページ9

リーの病室を覗き込む。そこには、ベッドに寝かされたリーと、その傍に立つサクラとイノ。
サクラはリーの傍らに一輪の花を添えると、そのまま2人で病室を出て行こうとする。
私は慌てて物陰に隠れた。2人は私に気付かないまま、何かを話しながらどこかへと歩いていった。
2人をやり過ごした後に、リーの病室の扉をそっと開ける。リーは静かに眠っていた。
…私は何をやっているんだ。別にリーが忍を辞めようが、体を壊そうが、私には関係ないって言うのに。
眺めていると、やがてリーが目を覚ます。
そして花を見付けると、「誰でしょう…？」と声を漏らした。
その後、リーが私に気付く。
「Aさんが置いたんですか？」
「違う」
「では誰が…」
「…それを言うのは、無粋かも」
言ってやっても良かったが、私の口から言うのは、何となく違う気がした。
「どうしてそこまでするの」
「……何がです？」
「忍、続けられないんでしょ」
「いいえ。続けます」
「……」
リーは、真っ直ぐな瞳で天井を見つめていた。
「ボクはまだ、終わっちゃいません」
「………そう」
「キミもボクを止めますか？」
「まさか」
こいつには、信念があるんだろう。それが自身を突き動かしているんだ。私なんかにその信念を止める資格は無い。
……私が同じ状況に立たされたら、諦めずに修行を続けられただろうか。正直、自信はない。今だってそうだ。大人しくしているというカカシとの口約束を言い訳に、病室で1人寝転がって、図鑑なんて読んでいる。