第139話 ページ5
「じゃ、俺は用事があるから行くよ」
話を終えたカカシは、のんびりとした口調で言った。そして、シカマルに目を向ける。
「見張ってくれと言った身で何だけど…、Aは自分から言った約束は破らんタチだ。シカマル君も修行しないといけないだろうし、いつ帰ってくれてもいいからね」
「や、まぁ、もう少しここに居ます」
変な会話をする2人を無視して、フルーツの詰め合わせを見る。要らないと言った態度を出した後の癖して、正直、桃が美味そうだ。シカマルが帰ってから食ってやろうと思っているのに、こいつはまだここに居座るつもりらしい。私の桃…
「……その中だったら、Aの好物は桃だと思うよ」
「「へ?」」
癪なことに、シカマルとハモった。何でバレたんだ。写輪眼のお陰か?こいつ、変な事に術を使いやがって。それに私が桃好きだからって何だって言うんだ。
「そういえば桃にはいくつか花言葉があったよね。何だか忘れちゃったけど。シカマル君はいい物を送るね〜。それじゃ、頑張れ青春!」
「………? !?ちょっ先生!違っ……」
早歩きで病室を出ていくカカシを、シカマルは声を出して引き留めようとするが、それも虚しく、廊下にカカシの跳ねるような足音と鼻歌がコダマして消えていった。
「………そんなんじゃねぇからな」
「何が?」
「このクソ鈍感女…」
「は?」
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作者名:ジェシカ | 作成日時:2023年7月9日 21時