皆の相談役の悩み事 (ページ5)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:3,166 hit

３ページ5

芹沢さんだ。
芹沢さんは何か言いたそうにもごもごしている。

「あ、あの、芹沢さん。
どうかしましたか？」

「えっー……あっ、その、ちょっと来い！」

芹沢さんは廊下を見て美桜さんが来てないか、見てから私の手を掴み、廊下へ飛び出した。

そして、着いたのが、映画研究部の部室。
何故私がここに呼ばれるのか全くわからなかった。

「せ、芹沢……さん？」

「相談、していいか？」

このとき私は勘づいた。
美桜さんのことだ。
芹沢さんが好きな人も学園内にはたくさんいて、たまに相談してくる女の子の中の殆どの人が質問で「好きな人はいるか？」という質問だ。
私は曖昧の事を言って恋する乙女さん達を信じさせちゃいけないので、言わないでおいていた。

けれど、私の目の前に来てチラチラと廊下の方を見て美桜さんがいないことを確認してから向かった。
そこで、後は相談、していいか？と言われると頭の隅っこで本日二回目の走りをしていながら考えていた。

しかし、この考えが当たるとは、人を観察しているとよくわかるんだな。

「はい、いいですよ。」

「み、美桜のことなんだが……。」

「好きなんですよね？美桜さんのことが。
……って急にすみませ」

「そうなんだよ、好き、なんだよな。」

そう照れくさそうに言う芹沢さん。
しかし、芹沢さんはもっとがっつりしてる感じがして、告白なんて全然やれるぜ！みたいなイメージだったんですが、意外と繊細なんですね。びっくりです。

「おま、俺の事そう思ってたのか？
こうがっつりしてる感じで告白なんて全然やれるぜ！っていうイメージって……そう思われてたのか……。」

「へっ！？あ、あの、ご、ごめんなさい！
気分悪くなったら……ていうか、気分悪いですよね。」

「いや！全然気分悪くなってないぜ！むしろ気分は良い！
って、本題からずれてるんだが……。」

「すみません、芹沢さん。
では、本題に入りたいと思います。
芹沢さんは、告白すると決心していますか？」

「………いや、してない。
俺こう見えて、結構意気地なしなんだぜ？」

「いえ、それはいいと思います。
名前で呼びあってるのは分かりますが、告白はとても大事なものです。
恋愛をしていない私が、いうのもなんなんですが、もし、美桜さんに好きな人いるか？って聞いて、居る。と答えても自分じゃねえのかよ！ていう気持ちにはなってはいけませんと思います。
ほら、だって、美桜さんは好きな人が居ると言って名前は言ってませんよね？」