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はあ、はあ、と息切れをしながら私は急いで職員室に向かった。
かの有名な"イノコリ先生"こと明智咲先生は、いつもはだらーんとしている脱力系男子なのだが、飴の交換を遅れたら怖いのだ。
そんなに飴が好きなのか、理由を聞いてみたら、禁煙のところで吸えないから飴を舐めてるという咲先生らしい答えだった。
勢い良く職員室のドアを開け、咲先生の机に向かう。
本当ならば、来た理由を述べなければならないが、もうほかの先生達は気付いているので言わなくても済む。
「せ、ハァ、ハァ、ハァ、せ、い。
あ、……飴、持ってきました……。」
「お疲れー、A。
今日は何味?」
「ハァ…ハァ…ハァ……オ、オレンジ味で、す。」
「おお、ありがとねー。」
私のリュックから、可愛らしいピンクと水色の水玉の入れ物から4本の飴を取った咲先生。
「では、失礼しました。」
私はそう言い、自分の教室へと向かった。
携帯を見るとまだ時間はあったので、歩いて向かった。
そして、何分か経ち教室に着いた。
「お、おはようございます。」
私が挨拶を言うと、夏樹さんやあかりさん、蒼太さんと恋雪くんが返してくれた。
「Aちゃん、おはよーっ!
何か今日朝から大変だったねー!」
「Aちゃんおはよう。」
「A、おはよ……。」
「A、おはようございます。」
「お、おはよう……ございます。
夏樹さん、あかりさん、蒼太さん、恋雪くん。」
挨拶を返したあと、自分の席に座った。
私の席は蒼太さんの後ろ、夏樹さんの列の一番後ろだ。
私が教科書などを全て入れ終わって飴を舐めてる時に、前に大きな影が出てきた。
(また、話しかけられなかったな……。)
(優ぅ〜…『長続きするたった一つの愛』それは片思いなんだってさ…Aが言ってた)
(分かった、分かったからお前もう喋んな)
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隣界 望未 - 粉雪君じゃなくて、恋雪君なのでは? (2016年9月3日 1時) (レス) id: d8990581b6 (このIDを非表示/違反報告)
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