赤薔薇の蕾がつく頃に (ページ45)

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それから3日ほどたった。

飛貴が出る時間と被らないように早めに出たり、いつもは通らない道を通って帰ったり、とにかくありとあらゆる方法で飛貴のことを避けていた。

そのおかげか飛貴とは一度も会っていない。

違和感に気付いた美波に何かあったのか聞かれたけれど、何となく言いずらくて『必ず話すから今は待って』と言ったら「いつでも話聞くから」と頷いてくれた。

美波が事務室に呼ばれているので一人でお昼をとっていると、頭上で声がした。

「それしか食べないの？」

『…中村さん』

「昼、きんぴらだけ？」

『…食欲なくて』

「…隣いい？」

『あ、どうぞ…』

「白身フライ1個あげる。ちゃんと食べなきゃ、また倒れちゃうよ」

返事をする元気もなく、まだほとんど残っているきんぴらの上に置かれたフライを見つめる。

「…なんかあった？」

『…いえ、何も…』

「嘘。俺の目見て言える？」

そう言われて黙り込んでしまう。

「…浮所くんのこと、とか？」

すぐに言い当てられて中村さんの方を見た。

「やっぱそうか…」

『…なんで、わかったんですか？』

「…Aちゃんがそんなに落ち込むなんて人間関係だろうなって思った時に、最初に浮所くんが浮かんだから」

『……実は＿』

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