赤薔薇の蕾がつく頃に (ページ41)

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突然何を言い出すの矢花くん！

『か…彼女なんて！そんなことあるわけないじゃん！』

「そうなの？俺には二人は恋人同士に見えてたけど」

矢花くんって、意外ととんでもないこと言う人なの？！

急にそんなことを言われて心臓がバクバクになってしまった私はなんとか話をそらす。

『や、矢花くんは学祭でコスプレするんだっけ？』

「あー、なんか友達にゴリ押しされてやることに…ほんとはやりたくなかったんだけど」

『やりたくなかったの？矢花くんイケメンだからいいんじゃないの？』

「そんなこと言ってくれるのAさんだけだよ…」

ほんのり顔を赤くした矢花くんは謙虚な人らしい。

「何着るの？王子様とか？」

『いや、このキャラやらされることになったんだけど…』

と言って私に見せたスマホには二刀流で有名な彼が。

『いいね、似合いそう！』

「黒髪だしカラコンもいれなくてよさそうだからいいじゃんって言われてさ…まあガチのコスプレイヤーさんにそんなこと言ったら怒られそうだけど」

『楽しみにしてるよ！』

「あんま期待しないで……」

『えー、じゃあ期待しないでおく』

「それはそれで悲しい！」

なんて談笑していたら、飛貴の大学の最寄り駅について「そういえば飛貴ここら辺の大学通ってるよな」なんて思い出す。

ふいにドアに目を向けると、なんか見た事ある姿がある。

……まさかとは思うけど、と見つめていると目が合った。

「A！？」

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