赤薔薇の蕾がつく頃に (ページ35)

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「Aちゃんは、いや…？」

『とんでもございません！めっそうもございません！！』

全力で否定する私に中村さんはくすくす笑った。

「じゃあ、とりあえず昼食べに行こっか」

『っ、はい！』

優しい中村さんは私が美波と今日行く予定だったカフェに行こうと言ってくれ、さらには食べ物代まで出してくださった…(最初は｢全部払うよ｣と言われたがめちゃくちゃ断った結果飲み物代は私が出すことになった)

「さっきのカフェ、ソフトクリームも美味しそうだったな～」

『あっ、私もそれ思いました！』

「マジ？じゃあ今度また行こうよ」

『っ、はい！』

「言質取ったからね！」

社交辞令だとしても、「また行こうよ」って言ってもらえた……！！

すごい嬉しい…

「ふふっ、Aちゃん嬉しそう」

『めちゃくちゃ嬉しいです！』

「そんなにソフトクリーム好きなんだ、俺も！」

……そうじゃないんだけどな

少しがっかりしている理由は、もうほとんど気づいているけれど。

気を取り直して中村さんにほかの話をしようとしたその時。

「…嶺亜？」

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