赤薔薇の蕾がつく頃に (ページ34)

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やばい、私すごいドキドキしてる……
絶対顔も真っ赤だし……

恥ずかしすぎて先輩から目を逸らすと中村さんは

「Aちゃん、かわい～」

とか言うから、

「だから…からかわないでください…」

と返すと「ん～、本心なんだけどな」と目を真っ直ぐ見られて心拍数が大変なことになりそう。

そんな時、タイミングがいいのか悪いのか中村さんのスマホに着信が入った。

「……もしもし瑞稀？お前なんか企んでない？夏川さんと一緒に」

………え、どういうこと？

困惑している私をよそに、中村さんは続ける。

「とぼけても無駄！いつも時間通りに来る瑞稀が今日だけ来ないのもおかしいし、Aちゃんと待ち合わせ場所が同じで、状況も同じなんてぜってぇなんかあると思うでしょ！」

正確なことはまだわからないけど、もしかして……

「やっぱりそうか、……うん、まあ感謝してるけど。…ん、じゃあね」

『…』

「…Aちゃん、俺ら嵌められたみたい」

『と、言いますと…』

「俺とAちゃんが急に話さなくなったから瑞稀と夏川さんが俺らを同じ場所に呼び出して話をさせようとしたらしい…元から2人は来る気なかった、ってわけ」

やっぱり、電話での話の内容的にそうだろうなとは思った…。

あとで美波と井上さんにお礼しよう……

『……では、無事解決しましたし、帰ります…？』

さっきの雰囲気がまだ恥ずかしくて勝手に口がそんなことを言ってしまう。

……本当は、中村さんともっとお話したいのに…

ああ、でも言ってしまったことは取り消せないし…

と思っていたら。

「俺は、まだ帰りたくない。ていうか、このまま帰すとでも思ってる？」

『な、かむらさん？』

「…だから、まだAちゃんと一緒に居たいって言ってんの！」

『エッ？！』

予想外の一言にすっとんきょうな声をだす私。

………予想外だけど、嬉しすぎるよこんな言葉…………

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