赤薔薇の蕾がつく頃に (ページ28)

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「なんで断られる前提で話してるのかさっぱり理解できない！Aはもっと欲張りになりなさい！」

『欲張り…』

「あと、これは言ってなかったけど、Aは今までの彼氏を全力で愛してない！疑うだけじゃなくて、相手のために何ができるかな？とか、ずっと一緒にいるためにはどうすればいいかな？とか考えたことある？」

『……ない』

「相手のこと疑ったらなにか生まれるの？Aが自分に自信がないのは知ってるけど、それで相手の気持ちまで否定するのは違うと思う」

美波にここまで強く言われたことがなくて、少しの間押し黙ってしまう。

けど、私の自信のなさで相手の気持ちを否定して傷付けたのは確かだ。

『………私、自信持ってもいいのかな…？』

「当たり前じゃん！Aみたいな人が自信持たずに誰が持つのよ」

『……ありがとう、美波。私、頑張ってみる…！』

きっと美波がいなかったら変わろうとすら思えなかった。中村さんのことを胸張って好きって言えるようになろうと思えなかった。

いい親友をもったな、私。

なんか涙出てきそう…なんてちょっとおセンチな気分になっていたら美波が「本題に戻るけど」なんて言った。

『……本題…？今のが本題じゃないの？』

「Aってホント………中村さんのことに決まってるでしょ！」

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