赤薔薇の蕾がつく頃に (ページ18)

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中村さんの指導のおかげでなんとか初めてボールをコートに入れられた。

『やった！！やりました中村さん！！』

と後ろを振り向いたら、思ったよりもかなり近くにお顔があり目をぱちぱちさせてしまう。

それと同時に顔はさっきよりも熱くなり、言わば沸騰寸前。

『…っ、ごめんなさい！』

急いで離れて顔を見れずにいたけれど、しばらく経っても中村さんが何も言ってこないのでちらりと見ると、なんと色白な顔を真っ赤にさせてかたまっていた。

えっ？！何、その反応…？！ますますこっちまで恥ずかしくなっちゃうよ……

『…あの…』

「……えっ？！あっ、ごめん…！」

『いやあの、こちらこそごめんなさい…』

2度目の謝罪に中村さんは「ううん、ちょっと、びっくりしたけど大丈夫」と言い飲み終わった麦茶のグラスを片付けるためにキッチンに向かった。

まだ顔があつい……

火照った顔を冷ますように手で仰ぐ。シンクにグラスを置く中村さんの耳も少し赤い気がしたけど、それは多分都合のいい思い過ごしだ。

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