赤薔薇の蕾がつく頃に (ページ17)

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「ゲームとか、する？」

『は…はい！』

「ちょっと待っててね～」と中村さんはゲームを準備し始めた。

｢どのゲームやる？｣と聞かれたのでとりあえずやった事のある有名な車のゲームの名前を挙げると、「それにしよう！」と笑ってくれた。

コントローラーを手にしてゲームを始めてから数分。

「…Aちゃん、強くない？」

『そ、そうですか…？たまに幼なじみの家でやってるからかな…？』

「たまに？！たまにしかやらないのにこんなに強いの？！」

意外だな、なんて私に聞こえないように呟く中村さん。聞こえてますよ！

それから何ゲームかしていくうちに、中村さんはずるいショートカットを使ってきたりして、｢あ、中村さんって可愛らしい顔してこういうとこあるんだ、新しい発見かも｣なんて思ったり。

そろそろ他のゲームをしようという話になり、実際に腕を動かすタイプのテニスのゲームをすることになった。

球技は昔から苦手だから心配……
と思っていたら、案の定ミスの連続。

下手すぎてお話になりません状態で申し訳なさすぎる…。

『ごめんなさい…』

「あははは！Aちゃんこういうゲーム苦手なんだ！」

『球技はいつもダメで…特にラケット使う運動は1番苦手なんです…幼なじみにいくら習っても無理で…』

すると中村さんはゲームのモードをCPU対私にしたかと思うと、私のすぐ後ろに立ってコントローラーを持っている方の手をそっと握ってきた。

ちょっと待って、なんで？！
心臓に悪いよ………！

心臓の音が聞こえてしまいそうで、なんとか抑えようとしている私を気にしていない様子の中村さんは追い討ちをかけるように耳元で

「ボールが来るタイミングみて、」

と話すので、顔に熱が集まってしまう。

ち、近い…！心拍数やばい…！頭おかしくなりそう…！

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