赤薔薇の蕾がつく頃に (ページ15)

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しばらくウィンドウショッピングをしたりして、気付けばすっかり日も暮れたので帰ることになった。中村さんが「送ってくよ」と言ってくれてドキッとしてしまう。

お互いの趣味の話などをしていると、気付けばもうマンションの前だった。

『今日はありがとうございました。本当は井上さんとおふたりでいらしてたのにごめんなさい…』

「ううん、俺もAちゃんとお話出来て、嬉しかった、から…」

柔らかく微笑んだ中村さんに、やっぱり心拍数は上がってしまう。そんなことを悟られたくなくて、『で、では私はこれで！』と言いかけた時、大変なことに気付く。

「どうしたの？」

『鍵、家の中だ…』

つまり、家から締め出されてしまったのだ……

「えっ、おうちの人は？」

『一人暮らしです…』

「…とりあえず、管理人さんに話を…」

とエントランスに目を向けると、"管理人不在" の看板があった。

飛貴が合鍵を持ってるけど今日は帰りが遅いって言ってたな…
ああ、確実に終わった……

「…俺ん家、来る？」

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