赤薔薇の蕾がつく頃に 2 (ページ27)

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『矢花くん、嶺亜くん寝ちゃったんだけど、どうしよう…いつもどうしてる？』

「…嶺亜くん、飲んで寝たこと一度もないからな」

えぇ…と困っていたら矢花くんが他のメンバーの方に話をしてくれて、たいこうと呼ばれた人の家が近いらしいので泊まらせることになった。

次の日の朝、お昼ご飯を買うために最寄りのコンビニに寄るとトントンと肩を叩かれた。

「…Aちゃん」

『あっ…おはようございます』

肩を叩いたのは、なんだか気まずそうな様子の嶺亜くんだ。

『…二日酔いとか大丈夫でしたか？』

「…うん。……あのさ、俺昨日変なこと言ってない？」

『…え、覚えてないんですか！？』

「ほんとごめん！Aちゃんに話しかけようとしたところまでは覚えてるんだけど……」

『……じゃあ、もう嶺亜くんって呼ばなくていいんですね』

「えっ、何その呼び方？！」

『中村さんが覚えてないならいいです』

なんてちょっといじわるをしてみる。

だけど、

「…ねえ、もう一回呼んで？」

そんなにあざとくお願いされたらこっちの負けだ……

『嶺亜、くん…』

「…これやばいね、なんか恥ずかしい」

嶺亜くんがシラフって分かってる状態で言うのめちゃくちゃ恥ずかしい

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