赤薔薇の蕾がつく頃に 2 (ページ19)

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それからすこし手伝いをして解散になった。

中村さんとの待ち合わせ場所に向かおうとすると美波に声をかけられる。

「A」

『ん？なに？』

「Aはいつも可愛いけど、今日はとびっきり可愛いから！自信もちな！」

『美波～！！ありがとう！頑張る！』

そうして私は中村さんとの待ち合わせ場所の校舎の前に向かった。

…のはいいのだけれど

『…なんか、雨降ってきた？』

額に雨がかすった気がした。

雲行きがなんとなく怪しいと思いながらも中村さんを待つ。

「Aちゃん！ごめんお待たせ」

『中村さん！おはようございます！』

「うん、おはよ。…………なんていうか、その…」

『？』

「Aちゃん、今日は一段とかわいい」

え…………？！

今の、聞き間違いじゃないよね？！

かわいいって言われたよね！？

昨日も今日も可愛いなんて言ってもらえて、何か悪いことでも起きてしまうの…？！

「…Aちゃん？」

『あっ、すみません…。中村さんも、髪の毛……』

「うん、セットしてきた。どう？」

『いつものストレートも好きですけど、セットしてあるのもすごくかっこいいです！』

「ほんと？セットしてきて良かった」

「じゃあ行こっか」と中村さんが言ったのと同時に、また顔にポツリと雨がかかった。

『…雨、降りそうですね』

「…確かに」

2人して空を見上げた途端、バケツをひっくりかえしたような雨がザーザー降ってきた。

『わっ、えっ嘘？！』

「とりあえず中入ろう！」

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