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しおりside
難しそうにでもその横顔は美しい顔で本を読む成瀬さん
こっちに気づきそうにないな…
ページを捲った時に声をかけた
咲田「あ、成瀬さん」
成瀬「あ、こんにちは、しおりさん」
そう言い微笑んだ
咲田「いらしてたの気づきませんでした！今回はその本を借りるのですか？」
成瀬「はい、それと以前借りた本の返却もお願いできますか？」
そう言い医療関係の本の表紙を見せた
咲田「はい、こちらへ」
私はカウンターへと成瀬さんを案内した
案内といっても成瀬さんはここに何回も来ているのだから、案内と言うか…ただ私が少し前を歩いているだけ
咲田「成瀬さん百合好きでしたもんね」
私が手続きをしているとき成瀬さんは優しい目で百合の花をみていた
成瀬「はい、あぁ、いい香りだ…」
咲田「んふふ、本当にお好きなんですね、はい、返却は…少し遅れただけであればおまけします」
成瀬「ありがとう」
そう言っているけど成瀬さんは一度も遅れたことはなかった
「Aちゃん！！」
静かな館内に声が響いた
誰だろう……
声のした方をみると男の子が出口の方をみていた
出口の方をみたら女の子が外へと走っていったところだった
咲田「何かあったんでしょうか…」
そう言っても成瀬さんは声のした方をみていた
男の子と成瀬さんの目線があった気がした
あの男の子…
どこかでみたことがある気が……
咲田「成瀬さん…？」
成瀬「すみません…本ありがとうございます」
咲田「成瀬さん？大丈夫ですか？」
先程の優しい顔をしたような気がした
だけどいつもの優しい顔よりなに怖く
なにかにとり憑かれているようだった……
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作者名：成サ | 作成日時：2017年9月1日 21時
