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｢A、早く俺と結婚してくれ。いつお前が爆豪や他の奴らに喰われるか心配で頭がおかしくなりそうだ｣
｢テメェの頭がトチ狂ってんのは最初からだろうが！オイクソ猫！この舐めプのモンになるとかほざけばどうなるかわかってんだろうなぁ！？｣
｢ちょっ……2人とも離れて欲しいな……｣
アフロディーテが直々に造形したのではと疑ってしまう程の美形二人に至近距離まで近づかれるのは脳がパンクしてしまうから本当にやめて欲しい。ついでに言えば｢クソ猫｣っていう呼び方もやめて欲しい。
しかし彼らには俺の事情など知ったことではない。俺から距離を置いてくれるはずもなく、オールマイトさんは校長さんとの話に夢中だし、月の力で2人はまだまだ元気だし、どうしたものかと本気で焦り始めていた。
｢Aくん！大丈夫！？｣
｢はっ……！出久くん！｣
まさに救世主、出久くんがふよふよと浮かびながらこちらへ向かってきた。
｢デク……｣
｢緑谷……｣
忌々しげに見つめる視線には目もくれず、俺を2人から引き剥がすと庇うように間に入ってくれた。
どんどん頼もしくなっていく出久くんの成長を感じつつ、安堵のため息が吐き出された。
｢ありがとう、出久くん……｣
｢もう大丈夫だよ、二人に何かされてない？｣
｢まだ何もしてねェよどけカス｣
｢Aに結婚を申し込んでいただけだ｣
｢あのまま僕が来なかったら二人ともAくんに手ぇ出してたでしょ！？かっちゃんは確実に出すつもりだったよね！｣
彼は幼い頃からオールマイトさんに憧れていて、少し前にオールマイトさんに弟子入りした。俺が拾われたのはその直後だったけど、あんなにへなちょこだった出久くんが日に日に力を増していく様は純粋にすごいと思った。発揮できていなかっただけで、彼には大きな力と才能があったようだ。
｢俺は別に手ぇ出そうとしてねぇ、邪魔しないでくれ緑谷｣
｢いやいや君も十分危険だからね？絶対血ぃ吸わせてもらおうとしてたよね？絶対ダメだからね？｣
｢……ちょっと舐めるだけだ｣
｢はい嘘！！！｣
目を逸らしながら答える焦凍くん、信用がまるでない。
出久くんが来てくれなきゃ本当にどうなってたことか。出久くんには感謝でしかない。
あとでキャンディとチョコレートを奢ってあげよう。
｢……緑谷だって、｣
｢えっ？｣
焦凍くんがむっとした表情で言った。
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作者名：成瀬 | 作成日時：2019年11月1日 0時
