【MHA】片割れたオレンジ (ページ5)

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(部屋順捏造)

寮生活が始まった。

大きな事件が起きている間も事件が終わったあとも、俺たちはずっと離れることは無かった。

保須事件のあとには2人揃って入院したし、焦凍も俺も強いとはいえこれだけ事件や命の危機が続くとお互いの存在を確かめたくなる。

焦凍がいる、焦凍は生きている。
俺の隣にいる。

そう思えるだけで心が落ち着いた。

特に合宿が終わってからの焦凍は俺にべったりだった。

学校は休みだし、家にいるだけでなんもすることが無い。

ちょっと勉強するくらいで、あとはほとんどの時間暇を持て余していたが、その間ずっと焦凍は俺のどこかしらに抱きついていた。

携帯を弄っていても、ゲームをしていても、本を読んでいても、焦凍はくっついたままだった。

おかげで動きずらかったが焦凍は安心していたようだ。そんな焦凍が可愛い。

そうしているうちに始まった寮生活、
生まれて初めて、焦凍と部屋を別々にして生活しなければならなくなった。

俺が一番端の部屋、その隣に焦凍の部屋。

今まで広めの部屋を2人で使っていたので、狭い部屋で一人というのはなかなか新鮮だ。

でも一人でいるのはなんとも落ち着かない。大抵の人間は一人の時間が必要らしいが、俺たちにはそんなのいらない。
寧ろ二人きりの時間が必要不可欠なのだ。

｢A、部屋の片付け終わったか？｣
｢うん、今終わったよ。焦凍は？結構大変なんじゃない？｣
｢ああ、手伝ってくれないか？｣

焦凍は部屋の床を自力で畳にしている。畳の方が落ち着くもんな。

俺も畳が好きだけど、フローリングも新鮮だし結構嫌いじゃないからそのままにしている。
どうせお互いの部屋を行き来するし、どっちも味わえたら楽しいだろ？

その後部屋のお披露目大会が開かれた。焦凍の部屋でめちゃくちゃ驚かれたり砂藤くんのおいしいケーキ食べたり、楽しく過ごしていた。

焦凍は眠そうだった。俺も眠かった。