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『じゃあ、またあとでね』
「はい、早く帰ってきてくださいね」
そう言って俺の手を離れていった後ろ姿が、なんだかやけに小さく遠く見えて
やっぱ俺も…と足を前に進めるが、
Aちゃんに''待て''をされたからには…
うーーーーーーーん、、
「…らさん、？…つむらさん？」
「松村さん？？？」
「わっ！…あ、先生」
まずいなこれは。
通い慣れた病院に、見慣れた先生。
Aちゃんに見られてないといいけど…
くるりとAちゃんが居るであろう方向に背中を向ける
「お元気ですか？」
「あーここ最近は、まぁ悪くないです」
嘘ですけど
がっつり悪いですけど
なんなら先程も血、吐きましたけど
「本当に入院されないんですか？もちませんよ、このままじゃ」
「…入院したら会えなくなるんですよ」
「ご家族ですか？」
「初恋の人です」
「…会いには来ていただけないんでしょうか」
「来て、ほしくないんです…」
もし入院することになったら
そんな俺を見て欲しくはないと、その時の俺もきっと思う
どれだけ苦しくて寂しくて、会いたくても
君の前では手のかからないお利口な犬でいたい
「ｯｯｯ！！ｹﾞﾎｯ、！」
「松村さん！？」
あれ、俺なんで寝っ転がってるんだろう
お行儀悪いなぁ
キーーーンと電子音のような耳鳴りが鳴り続ける
誰かが遠くで叫んでるけど何を言ってるか
何も分からない
口の中に広がる鉄の味に
息が詰まる
あー、やばい
目開けてらんない
また、真っ暗な世界に引きずり込まれる
Aちゃん…
.
『大丈夫ですか！？私の声聞こえます！？』
冷たいコンクリートの上には、薄く雪が積もっていたあの日
運がいいのか悪いのか
人通りがない訳では無い道で倒れた俺を
唯一助けてくれたのは君だった
高校の制服にスクールバッグ
カバンの表の小さなポケットから少し覗いていた、
小さな白い紙は今思えば受験票だったんだろう
あの日も電子音のような耳鳴りがして、
音も景色も全てが遠のいていたのに
君の声だけは真っ直ぐ俺の耳に届いて
何十分も掛けて俺を病院に運んでくれた
次に気がついた時には君はもう居なくて
誰に聞いても君の名前もなにも手に入れることは出来なかった
「…Aちゃん、」
俺の名前を呼んで
そしたら俺元気いっぱい返事するから
「…わん」
って言ったら喜ぶ君の笑顔が大好きなんだ
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ものすけ(プロフ) - 月華さん» 祝福のお言葉ありがとうございますꕤ︎︎·͜· ︎︎ 樹担の方ですよね!? 最後まで報われない形ですみません( ᵕ ᵕ̩̩ ) また別の作品でも楽しんで頂けたら嬉しい限りです🤲🏻´- (5月5日 0時) (
レス) id: f06483b85f (このIDを非表示/違反報告)
ものすけ(プロフ) - 夕空さん» 感情豊かに読んでくださって、嬉しい限りです~( ᵕ ᵕ̩̩ )♡ (5月5日 0時) (レス) id: f06483b85f (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 完結おめでとうございます。1作目で泣きながら読んだ者です。最後の樹サイドのお話でまた泣きました笑。樹くんの幸せを願っています！新作も楽しみにしてます！ (5月5日 0時) (レス) id: 86be01ea37 (このIDを非表示/違反報告)
夕空(プロフ) - 号泣しました😭 (5月4日 20時) (レス) id: 48bd583dd7 (このIDを非表示/違反報告)
ものすけ(プロフ) - ぴびさん» 嬉しすぎるお言葉ありがとうございます~𓏸𓂂⍤⃝🤍 欠乏した語彙力でただひたすらに、妄想ぶちまけてましたが楽しんでいただけたようで本当によかったです🤲🏻´- (2023年4月26日 22時) (レス) id: f06483b85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Merry | 作成日時：2023年4月13日 23時
