ポーションの毒と甘い恋【S.S】 (ページ5)

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05.どこか…知らないフリをして。ページ5

『二宮さんって女遊び激しいらしいよー。』

『知ってるわー、見たことある。』

『私もね？気になってほぼ毎日二宮さんのマンション前を、張り込み調査してたの！そしたら、毎日毎日違う女の子をキスして、抱きしめてるんだよ！』

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聞いて、知らぬフリをした。

ウソと思い続けた。

でもその噂は、噂でなく真実だった。

『おかえり。』

和『ただいま。』

気づいたら、私は彼のおかえり。を聞いたことがない。

逆に私は、彼にただいま。を言ったことがない。

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一緒に入れた時間がこれとなく少ない。

お互い、ほとんど打ち明けたことはない。

「…ふっ…う…。」

…まず、不釣り合いだったのかもしれない。

毎日毎日、変わらない生活が飽きてたのかもしれない。

彼に聞かないと真実は分からないけれど、多分そう。

それでも、涙はとめどなく流れ続けた。

「泣く女は面倒」…和くんがそう言ってたから、仕事のことで泣きそうになってもなるべくは、抑えて来た。

でも、そんなのは明日から…いや、今この瞬間から必要なくなる。

彼氏と彼女という関係でなく、親しすぎた友人という関係になりかけてたのかもしれない。

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別れ、裏切りは儚く切ない。

目を擦ったら、腫れちゃうよね？

だから、擦らず一滴一滴を自分で拭う。

「…この際…誰かにっ…連れ攫われたいっ…」

そんな儚くもどこか強い願いは、アイツに届く。

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