01.出会いと別れの関係性 ページ1
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「あ、二宮さん。この資料、ここに置いておきますね」
和「うん。ありがとね？」
人と結ばれるのは、とても難しくて。
逆に関係を壊すのは恐ろしいほどに簡単。
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お互いに名字で呼び合う関係性。
「上司と部下」と思わせて、裏では恋人という関係。
誰も、知ることのない秘密の関係。
秘密な関係を貫き通すため、「バレてはいけない」という危険が常についてくる。
ちゃんとした個室でないと、たくさんの社員にバレかねない。
私の彼氏は、会社一モテ男とも言える、二宮和也。
私と一緒にいるとこを見られたら…。
イジメられる。
…ちょっとだけ…。
一緒にいれる時間が少ないってことに…ちょうっとだけね？
イライラしてた…。
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『演技上手いって褒めてやりたい。』
彼は確かにそう言った。
本当にそうだと、自分でも思った。
表面は仕事人、裏面は恋人。
ひっくり返して見比べれば、差はスゴイ。
「和くん、バスタオルここに置いとくからね」
何もかもがうまく行ってて、愛し合っていたはずなのに。
関係は不意に崩れ落ちる。
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会社へ一人で通勤して、不意ち窓の外を見れば満開の桜たち。
風が吹けばピンクの花びらがヒラヒラと、華麗に舞い落ちた。
「…。」
この季節が、桜の匂いが、出会いの季節が私は大好きだ。
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4月とくれば、新しい社員。
転勤してくる人もいれば、新たに就職してくる人もいる。
新入社員の紹介か。始まった。
初々しい女の子、緊張じみた爽やかな男の子。
でもそんな中群を引いて、この部屋の主な女子からの視線を集めてる男がいた。
櫻井翔。彼はそう名乗って爽やかな笑顔を振り撒いた。
前の会社では「エリート」とまで呼ばれる実力だったそう。
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これは、運命と呼べるだろうか。
…いや、神様のイタズラだ。
心移りなんて、…しない。
翔「よろしくお願いします」
でも、彼の顔をどこかで見たことある気がした。
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作者名：成瀬
| 作成日時：2016年11月10日 22時
