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No.9 ページ10
黒田side
黒田「あ、塔一郎。今日、用事できたから、悪いけど、サイクルパス。」
泉田「そうなのか。分かった。何の用事だい？ユキ？」
黒田「ちょっと、新作のアイスでたから、一緒に食べるやつがいるんだ。変な女子だけどさ。」
泉田「トロピカルジュースシャーベットかい？あれ…一個五百円くらいするんじゃ…。」
マジか。高ぇな…。
黒田「奢ってもらえばいいか。あいつに。」
泉田「一緒に…か。彼女は、ユキのことを想っているのかもしれないね。」
あいつが？
黒田「ないない。あいつはアイスが恋人のようなもんだし。」
泉田「そうなのか…。では、また明日。」
黒田「あぁ。」
美術部って、俺らより早く終わるよな。いるのか？あいつ。
黒田「失礼しまーす…。」
いた。
黒田「なんで寝てんだか…。部活中に。」
一人なのか。誰か起こしてやれよ。佐藤とか、いねーのか？
黒田「書き途中…。無駄に上手いし。さすが美術部って、とこだな。」
リンゴのデッサン。
黒田「立体感だせすぎ。」
ここ、ちょうどよく陽が当たるな。
黒田「寝顔…天使かよ…。」
聞こえないほどにボソッとつぶやいた。
じきに起きるだろうな…。
なぜだかわかんねぇけど、起こせなくて。
起こしたくなくて。
黒田「起きるまで…待ってやるよ。…A。」
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作者名：ショウキチ | 作成日時：2018年3月7日 23時
